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「SI出身」が多いSansanのエンジニアに求められる「スキル」と「考え方」とは?(前編)

2007年に設立された「Sansan」が提供する同名のクラウド名刺管理・共有サービスが、導入企業やパートナーを急速に拡大している。Sansanでは、企業が名刺情報をデータベース化して管理する上で、大きな手間がかかっていた「紙の名刺情報のデジタル化」の作業を肩代わりすることで、クラウド上に巨大な人脈データベースを形成することに成功しつつある。

2015年5月時点でのSansanの導入企業は3000社を超え、その数は現在も増え続けている。同じく5月に発表された「SansanオープンAPI」のパートナーは、業務アプリケーションを開発している企業や、クラウドサービス提供企業などを中心に20社からスタート。名刺データベースとパートナーの製品、サービスとの連携機能の開発が進むことで、Sansanは、その存在感をさらに増している。

松重豊さんのCMでおなじみ、企業向け名刺管理ツール「Sansan」のサーバーサイドを C# と .NET で開発するエンジニアを募集!

「途方もないゴール」を目指すプランに感じたリアリティ

同社の設立直後からサービスの開発に関わってきた、Sansan事業部開発部部長の藤倉成太氏(以下敬称略)は、かつてユーザー系SIで、エンジニアとして分散オブジェクト技術に関するミドルウェア製品に関わっていた。藤倉にとっての転機は、そこで海外駐在員を務めた際に出会った、スタートアップ企業のエンジニアたちの姿を見た時に訪れたという。

「彼らが、自分たちが作っているサービスや技術が世界を変えると本気で思っていて、そこに自分の人生を賭けている姿に衝撃を受けたんです。自分は、技術的な知識は彼らと同じ程度に持っていたと思いますが、果たして、そこまでの思いを持った彼らと、対等に議論することができているのか。そう考える中で、エンジニアとして自分で何かを作り、それで世の中に影響を与えたいという思いは強くなっていきました」(藤倉)

帰国後もその思いは消えないまま、しばらくの時間が経過する。しかし、「自分の思い」と「ビジネス」の双方を成立させるリアリティのあるアイデアは簡単には生まれてこなかった。そんな中で、いくつかのベンチャー企業の経営者と知り合う機会があり、そのうちの1人が、Sansanの社長である寺田親弘氏だった。

Sansanのビジネスが「名刺管理・共有サービス」だと聞き、当初の藤倉は「地味だな」という印象を持ったという。しかしながら、寺田氏の持つビジョンと、その実現に向けたプランを聞くに至って、徐々に同社への関心は高まっていった。

「寺田が持っている最終的な目標は、最初に聞いたとき、とても実現できそうにない、途方もないものに感じました。しかし、詳しく聞くと、そこに向けたステップが、最終目標からさかのぼって、非常に緻密に、リアリティのある形で考えられていたんです。最終的に、私がSansanに参加したいと思ったのは、そのプランの実現に、自分のスキルが生かせると本気で思えたからだと思います」(藤倉)

「ビジネスに貢献すること」がエンジニアの最大の役割

Sansanの企業サイト内にある、エンジニア向けのリクルーティングページでは、同社のサービスで利用されている技術と、開発プロジェクトの進め方、エンジニアのコミュニティ活動での実績などについて詳細な情報が公開されている。それによれば、企業向けの「Sansan」では、.NET Frameworkを、個人向けの「Eight」ではRuby on Railsを、フレームワークとして採用しているという。

「企業向けと個人向けでフレームワークが分かれたのは、ビジネスモデル上の要請に基づく結果論です。Sansanでは、画像解析技術と人の手を介した入力作業を併用して名刺情報のデータ化を行っています。そこでは、単位時間あたりのデータ入力量が、そのままビジネスコストに跳ね返ってきます。画像解析に関する環境の充実度や、端末での入力効率の高さを考えた場合、結果的に.NETが最もふさわしいということになりました。一方のEightについては、とにかく開発の生産性とリリースのスピードを重視する必要がありました。その点で、Ruby on Railsを選択したというわけです」(藤倉)

主力サービスの要素技術として「.NET Framework」を利用していることは、「Sansanにとって、総じて有利だと考えている」と藤倉氏は言う。特に日本において、.NETのスキルを持つエンジニアは、SI企業を中心に多数存在する。そこでの人材の流動性の高さ、転職市場におけるエンジニアの数の多さを考えれば、「より優秀なエンジニアとSansanで一緒に仕事ができる可能性が高い」ことにつながるというわけだ。

一方、特定の技術要素に関する高いスキルを持っていることは「アドバンテージのひとつではあるが、それ以上ではない」という。「技術の役割は、ビジネスに対して貢献すること。事業に貢献できないエンジニアに価値はない」というのが、藤倉の考え方だからだ。

「技術の選択は、ビジネス上の課題解決のために行われるべきでしょう。最新の技術に取り組んだとしても、その結果、ビジネスの効率や成果が上がらなかったとすれば、そこに価値はありません。優先されるのは、今日、明日といった短いタイムスパンで成果が得られる技術を選択し、利用すること。どんな技術を選択したとしても、それを使いこなしてビジネスに生かすのが、エンジニアのあるべき姿だと思います」(藤倉)

エンジニアへのサポート体制

ビジネスへの貢献を第一に考え、もしそのために足りないスキルがあればキャッチアップする努力ができるエンジニアであれば「会社として確実にサポートできる」と自信を見せる。

同社では、勉強会やセミナーでの発表、執筆といった、エンジニアの社外活動に関する情報も公式に数多く公開している。それには、エンジニアの「転職」に関する、藤倉氏の考え方も強く反映されているという。

「特にネットサービス界隈では、エンジニアの転職が多くなる傾向があります。今、Sansanで働いているエンジニアも、定年まではここにいない人がほとんどでしょう。そうしたことを考えると、ここで働いた人には、できるだけ市場価値の高いエンジニアであってほしいという思いがあります。もちろん、Sansanが良いプロダクトに関われる、エンジニアにとって魅力的な組織であり続けるための努力を怠るつもりはありません。それに加えて、個々のキャリアにとっても良い会社であろうとする姿勢は、結果的にSansanにとってもプラスになるだろうと思っています」(藤倉氏)

取材・執筆:高橋美津

後編はこちら forkwell.hatenadiary.jp

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