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Webサービスを通じて「地球環境」を守る- 競合不在のサービスで成長し続ける「イーリバースドットコム」とは?

株式会社イーリバースドットコムは、地球環境や社会インフラに関する課題を解決する Webサービスの企画・開発、コンサルティングなど、複数の事業を運営する会社だ。 システムアーキテクチャの刷新と、開発の内製化を急ピッチで進めている同社の取り組みについて、ITサービス部部長の古田充伸氏(写真右)と、ITサービス部マネージャーの角田充氏(写真左)に聞いた。

トップシェアを誇る、唯一無二のサービス

廃棄すべき食品の不正転売や賞味期限改ざんなど、ニュースで耳にしたことがある方も多いのではないだろうか。

企業が事業を行う際に生じるゴミ、いわゆる「産業廃棄物」は、環境汚染や健康被害を防ぐため、正しく処理・廃棄を行うことが法律によって定められている。処理責任は排出する事業者側にあり、事業者が自ら処理するか、自治体の許可を受けた処理業者に委託する必要がある。

従来、適切に処理されたのかどうかを確認するための マニフェスト と呼ばれる文書は、複写式の紙伝票によって作成・管理されていた。しかし、作成や保管といった作業フローを人力で行うがゆえに、グレーな部分も多かった。

そこで登場したのが、環境省主導でスタートした「電子マニフェスト」制度。運用効率化と、データの透明性確保を目的とした、処理過程の記録と行政機関への報告を行うための電子的な仕組みである。

2007年6月創業のイーリバースドットコムは、その電子マニフェストの管理・運用を簡単にする「e-reverse.com」と、産業廃棄物処理の委託契約を行うことができる「er-contract」、2つのWebサービスを提供している。

「電子マニフェストのシステム自体は2000年に始まっていたのですが、使い勝手が悪く、なかなか普及が進みませんでした。そこで、当時利用の多かった PDA や携帯電話などからWeb経由でアクセスでき、ユーザーがより使いやすいサービスを作っていこう、と初めて民間で試みを行ったものが、e-reverse.comの前身でした」

そう話すのは、ITサービス部部長の古田充伸氏だ。大手建設会社が導入したことを皮切りに、一気に利用者が増加。2015年末時点で777社の排出事業者、4,407社の収集運搬事業者、2,384カ所の処分業者に利用されている。それでもまだ、電子マニフェストの浸透は全体の40%。100%に向けて同社の取り組みは続く。

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開発スピードを高め、ユーザーにとってより価値の高いサービスに

10年間で、端末のテクノロジーは大幅な進化を遂げた。同社では、PC版の機能拡充だけではなく、RIA やスマートフォン対応などトレンドを随時取り入れてきた。システムを利用するユーザーの特性から、いかに分かりやすく使いやすい UI を実現するかは、優先事項のひとつになっているからだ。

ユーザー増に伴い、処理すべきデータ量も増加した。当初は1カ月あたり数千〜1万ほどだった利用件数は、現在では40万件/月にまで増えている。今後のサービス展開を見据え、2014年にはシステム基盤を AWS に刷新した。さらに、サービスの拡張性を高め、システム間の連携を柔軟に行うためにも、2016年3月末を目処にデータベースは Oracle から MySQL(Amazon RDS)へ全面移行する予定だ。

そしてこれを機に、今までパートナーベンダーへ任せていた開発作業を、一気に内製化していく方針だ。開発をアウトソースした場合、開発側の「ゴール」は発注元の仕様どおりのプログラムを納品することになりがち。ユーザーの満足度を上げ、利用率を高めていくことを目指す事業者とは、どうしても見ている「ゴール」にズレが生まれてしまうと古田氏は言う。内製比率を高めていくことは、今後のビジネス展開には欠かせない。

「サービスのリリースはスタートに過ぎません。その後の運用の中でいかに継続的にサービスを良くしていけるかが重要だからです」(古田氏)

2013年にサービスインした er-contract では、当時のトレンドであった Ruby on Rails と AWS を採用した。エンジニアの関心を高めることができ、また、システムを作りやすく迅速なリリースに対応できる環境を検討した結果だったという。

マネージャーを務める角田充氏は「現時点では、実装部分に関してはまだ外部のベンダーに委託し、社内では運用を行っているという段階ですが、今後少しずつ社内に実装ができる人を入れ、社内で DevOps が実現できる環境を作っていきたいと考えています」と話す。

様々な現場を渡り歩いたからこそ、自社サービスへの思い入れは強い

角田氏は2011年4月の入社だ。以前は、派遣常駐型のシステムエンジニアとして、30近い現場でさまざまな言語と技術による業務システムの開発に関わっていた。同社に参加した動機は、多数の案件に関わる中で、自分が作ったシステムの成長を見ていきたいと考えたためだという。

「派遣常駐の SE として現場を転々としていると、自分が開発したものが現場でどのように使われていくのかを見届けることなく、次の現場に移るのが当たり前。せっかく作ったものですから、できることなら作った後もユーザーの意見を聞きながら改善したり、ビジネスのニーズに合わせて発展させたり、過程にも関わっていきたいと感じたのが大きな理由ですね」(角田氏)

開発経緯や時期が異なる2つのサービスを持つ同社。e-reverse.com が .NET Framework、er-contract が Ruby on Rails と、基盤としているフレームワークが異なる。今後は、ユーザーデータベースの統一のほか、複数サービスへのシングルサインオン環境なども視野に入れている。また、機能自体もマイクロサービス化を進めることで、両サービス間のみならず、今後リリースされる新サービス間との連携もスムーズに行えるものにしていきたいと考えている。

「アーキテクチャの入れ替えはそう簡単には進められないケースが多いと思うのですが、当社の場合は少人数でサービスを担当しているということもあり、決断のスピードを速めることができています。また、競合がないことに加え、収益の柱が既に確立されているという点で、他者との競争に疲弊せず、新しい技術にもある程度の余裕を持って取り組める環境だと思います」(角田氏)

未来へ向けた「環境づくり」に、最新のWeb技術を生かす

特殊な業界をターゲットとしている同社だが、業界や業務に関する知識のキャッチアップはそれほど難しくないという。求めているのは、むしろ「モダンなシステムアーキテクチャ」や「ユーザーエクスペリエンスを考慮したフロントエンド」について、開発者の視点で考え、実装できる人材だ。

「Ruby on Rails に関しては、社内の第一人者として、開発プロセスを上流から下流まで見られる方に来てもらえると嬉しいですね。新しい技術動向を吸収しながら、より良い開発手法や体制など、社内にアウトプットしていけるような方がいれば心強いと思っています。システム開発のより幅広い工程に関わり、自分が作ったプロダクトを成長させたい、ユーザーにより喜んでもらえるものに育てていきたいと思っている開発者の方にとって、やりがいのある職場だと思います」(角田氏)

また、古田氏は、特定の技術に関する経験もさることながら、「進化のスピードが速い Web のさまざまな技術に興味を持って、仕事に活かせる人」が理想だと話す。

「イーリバースドットコムのビジネス領域は、BtoCサービスと比較してしまうと派手さはありませんが、建設業界を中心として大きなマーケットがあります。これまで、BtoB、BtoC を問わず Webサービスの開発に関わる中で、その面白さや可能性を肌で感じてこられた方と、ぜひ一緒に仕事をしたいと思っています」(古田氏)

将来の世代へ向けた財産である「地球環境」「社会環境(インフラ)」を安全なものにしていくことは、現代を生きるすべての人にとって重要なテーマだ。その「環境づくり」に、最新のテクノロジーを使ったサービスで貢献していこうとしている同社の事業領域にやりがいを感じられるエンジニアも多いのではないだろうか。

執筆:高橋美津

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