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ITのビジネス活用推進に向け、株式会社IDOMが内製化で目指すものとは(前編)

2016年7月15日に社名をこれまでの株式会社ガリバーインターナショナルから変更した株式会社IDOM(イドム)。現在同社では、新たな IT部門として開発内製チームの編成が進められているという。
社名変更に込められた思いと、開発内製チーム「開発セクション」に託された役割とは何か。開発セクション セクションリーダーの高橋 雅哉氏(写真右)、システムエンジニアの坪田 渉氏(写真左)と塩野 一成氏(写真中央)にお話を伺った(以下、敬称略)。

チャレンジ精神を社名に反映

株式会社ガリバーインターナショナルと言えば、中古車売買の「ガリバー」で有名な業界をリードする企業だ。その同社がブランド名として定着している社名を捨てて社名変更を敢行したのには、どんな背景があるのだろうか。

高橋:
中古車買取の「ガリバー」は当社の中核事業ですが、実は中古車販売の「ガリバーアウトレット」や外車・輸入車専門の「LIBERALA(リベラーラ)」、軽自動車専門の「ガリバーミニクル」といった自動車販売事業、中古車の個人売買を仲介する「クルマジロ」など、様々なブランドとチャネルで自動車流通事業を展開しています。
さらには北米や東南アジア、オセアニアといった地域で海外事業を行っており、多チャネル・多ブランド化、海外事業の拡大には今後も注力していきます。すでに、会社は「ガリバー」だけの会社ではなくなってきているため、統括企業としての社名を変更しておこうというのが、今回の社名変更の理由です。

新社名の「IDOM」は、“挑む”から付けたもの。もともと当社は、「自動車業界に流通革命を起こす」ことをミッションに掲げていて、複数の革新的なビジネスモデルで成長してきた会社です。Web上でのスピード査定などもいち早く取り組んで業界をリードしてきました。そのチャレンジ精神をストレートなかたちで社名にしたのが IDOM というわけです。
もっとも、新しい社名を広く浸透させようということではなく、浸透させるのはあくまでもブランド。「“ユニクロ”と“ファーストリテイリング”のような関係」でよいというのが現在のスタンスです。

技術力の蓄積とスピード開発のためにシステムの内製化へ

社名が変わっただけでなく、組織改革も同時に進められている。同社開発セクションは、新社名に託されたチャレンジ精神を具現化していく部署の1つと言ってよいだろう。

高橋:
先ほど触れたように、当社ではオークションや Web査定など、インターネットを積極的に活用して事業を拡大してきました。2年前からはクラウド活用にも力を入れていて、既存システムの約9割は AWS への移行が完了しています。
もっとも、これだけ IT を活用していながら、これまでは開発だけでなく運用の大部分も外部に委託してきました。

塩野:
今後は、今まで以上に社内に技術力を蓄積していくことにもチャレンジします。外部からだけではなく社内からと、双方向で技術力を蓄積していく環境が必要となります。

高橋:
私たちが所属する開発セクションは、その一端を担い、システム開発の内製化を主なミッションとする部署です。
これからのビジネスでは、IT の役割がますます拡大していきます。これまでのように外部の SIer に頼りきりでは、技術力・ノウハウが蓄積されませんし、ビジネス環境の変化にも即座に対応することができません。アジャイル型でサービスを進化させ続けるには、内製化が必要という判断です。

もちろん、現在稼働しているシステムの専任チームは今まで以上に必要となりますし、開発内製化の体制が整うまでは、やはり外部開発者との連携も必要です。

坪田:
例えば、2016年8月から関東の1都3県で先行リリースした「NOREL(ノレル)」という月額定額クルマ乗り換え放題サービスがあります。月額5万円程度で一定期間ごとに乗る車を自由に変更できる、サブスクリプション型のサービスです。このサービスのシステムは外部委託で開発しましたが、社内での仕様検討やレビュー、社内で運用するためのドキュメント整備といった作業や取りまとめを私が行っています。

高橋:
開発セクションの人員は、第一期としてシステムエンジニア5名、プログラマー5名の計10名のチームを予定しています。ゼロからのスタートですから、現在の最優先課題は、社内標準の策定や開発基盤の整備となります。
システムエンジニアは、要件定義、設計、テストが主な仕事になりますが、社内からはふわっとしたあいまいな要件がやってくることが多いので、それをビジネスの視点と IT の視点の両方から検討できる方、“風呂敷をうまく畳める人”というのでしょうか、システム企画スキルの高い方を求めています。

一方、プログラマーは技術選定ができる方、SE領域までやりたい方を求めています。言語の縛りはありませんが、「私は○○しか使えません」というのでは困ります。不慣れな言語にもチャレンジできる、自己研鑚能力の高い方が理想です。

いずれにせよ、この第一期では、インフラの構成はどうするか、どの言語、どのフレームワークを使うか、ドキュメントをどうやって整備するかなど、検討すべき項目は多岐に及びますが、自分の好きな環境や得意な環境といった視点で会社に提案していけることが大きな魅力です。いわゆる技術オタクのような方に来ていただきたいですね。

後編はこちら forkwell.hatenadiary.jp

執筆:森英幸