Forkwell Press

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1万通以上のスカウトを分析してわかったコピペスカウトが滅ぶべき理由

こんにちは、Forkwell の赤川です。
Forkwell Scout のサービスリリースから数ヶ月がたち、1万通以上のスカウトが送られております。

サービスを通じて新しい仕事場に出会った方も次々に現れ、日々やりがいを感じている一方で、スカウトに対して「コピペっぽい」というご指摘を頂くこともあり、これをなんとかしなければと思っております。

本記事は、日本のエンジニアがもっと大切に扱われる世界を実現するために、Forkwell Scoutで「コピペっぽい」と指摘されたスカウトと、 承諾率(≒送ったスカウトに対してエンジニアと面談できる率) の高いスカウトを比較し、日本のエンジニアがもっと良いスカウトを受け取れることを願って書きました。


数値による比較

Forkwell Scout では、受け取ったスカウトに対してお断りする理由をフィードバックできるのですが、その中に「コピペっぽい」という項目があります。

この、コピペっぽいと一度でも指摘されたことのある企業のスカウトと、 そうでない企業のスカウトの承諾率を比較した結果が以下です。

企業分類別 スカウト承諾率

  • ①コピペっぽいと指摘されたことが一度でもある…8.7%
  • ②コピペっぽいと指摘されたことが一度もない…13%

これだけ見るとそんなに開いていないようにも思えますが、コピペっぽいと指摘されることの多い企業に対しては、Forkwell がスカウトを改善して頂けるよう支援に入っており、①の数字にはこの施策によって承諾率が改善された分も含まれています。

Forkwell の支援が入る前の状態だけで比較すると、その差はより顕著になります。

では、実際にコピペっぽいと指摘されたスカウトはどんな内容だったでしょうか。以下に具体的な社名を伏せた上で、いくつかのパターンに分類してご紹介します。


コピペっぽいと言われたスカウト文サンプル

オレオレ型

はじめまして、株式会社ミシカルマンマンス採用担当の古楠です。

このたび、ご経歴を拝見させていただいて、
ぜひ一度お話しをお伺いしたいとメッセージさせていただきました!

サービスや体制についての現状や今後の方針などご紹介させていただきたいのですがいかがでしょう? 当社は「人月神話の向こう側へ」をビジョンに掲げ、自社サービス運営や法人向けのコンサルティング、出版事業などを手がけています。

特に近年、急激なIT技術の発展を受け、ITの力を活用することでこれまでの「1人月」のあり方にも変革を起こせるはずだと考えており、当分野についても強力に推進していきます。

ぜひこれまでのキャリアや知見を思う存分発揮いただきたいと考えています。それではご返事、お待ちしております!

相手のことに一切触れず、自社の宣伝ばかりのパターンです。

淡々型

XXX様 初めまして。
株式会社ミシカルマンマンス採用担当の古楠と申します

弊社では、ネイティブ広告の配信プラットフォームを開発しています。 現在、企業として更に跳躍すべく、新規事業の立ち上げなども行っておりRubyでの開発メンバーを探しています。

XXX様のプロフィールにてこれまでの開発経験を拝見し、ぜひ一度情報交換の場を設けさせていただきたくお時間を頂戴いただけますでしょうか。

平日の夜遅い時間や休日でも全く問題ないのでXXX様のご都合の良いお日にちをいくつかお送りいただけますと幸いです。お返事お待ちしております。

採用担当

オレオレ型ではないですが、コピペが中心でどこを魅力に思ったのか、意図が感じられません。
また、受け取る人次第ですが、休日対応のアピールが先立つと、つらそうな職場を連想してしまう人もいるようです。

某サービスのテンプレ型

こんにちは!

株式会社ミシカルマンマンス採用担当の古楠といいます。 あなたのプロフィールを見て、ぜひ一度お話を伺いたいなと思いました!

一度、私たちのオフィスに遊びに来てみませんか?お忙しいとは思いますが、ご返事お待ちしてます!

別のスカウトサイトで紹介されているテンプレートを持ってきたようです。


なぜコピペスカウトが生まれてしまうのか?

コピペっぽいと指摘された企業の採用担当者にヒアリングしたところ、いくつかのパターンに分かれていることがわかりました。

無自覚型

  • そもそもコピペで送るものだと思っていた。全く悪気がなかった

洗脳型

  • 某スカウトサイトの営業担当者に、コピペで大量に送るように教えこまれていた
  • 前職が人材業界で、その時の上司からスカウトは数だと叩き込まれていた

盲信型

  • 過去に研究し尽くしたテンプレートがあり、それが今でも有効だと思っていた

知識不足型

  • 技術用語を知らないままスカウトを送る役を任され、相手になんて送っていいかわからず、テンプレになってしまった

採用代行型

  • コンサルティング事業者が採用活動を代行しており、相手に合わせたスカウトを送る権限を委任されておらず、決められたテンプレートでしか送ることができなかった

不可抗力型

  • 対象のプロフィール情報が少なく、最大公約数的なメッセージしか送れなかっった

木こりのジレンマ型

  • 採用担当が多忙すぎ、改善する時間がなく、業務の合間に少しでもアクションしようとしてコピペスカウトを送り続けていた

基本的に採用担当者はまじめで多忙な方ばかりです。
面接の日程調整、各種採用イベントへの参加、人材紹介エージェントとの打ち合わせ、社内に対する選考結果の催促、入社準備などが常に並行して動いている状態です。

多忙な状態がより悪化すると、採用担当者だけでこの問題を解決することができなくなり、上司が気付いて業務優先度を再定義しない限り、本人は心を鬼にしてすきま時間にコツコツとコピペスカウトを送り続けることになります。最悪の場合、採用担当が退職するという形で決着が付きます。


承諾率の低い企業はどうすればいいのか?

今すぐコピペをやめてください。

まずはここからです。
過去にコピペスカウトを送っていた企業でも、Forkwellのアドバイスを受けて、短期間のうちにスカウトの承諾率が 4%から 28%まで改善した事例があります。

効果のでない空振りを続けて相手に迷惑をかけるよりも、効果が出るまで(手間はかかりますが)相手のことを考えて送信したほうが、結果的に少ないアクションで会いたい人に会うことができ、皆が幸せになれます。

参考としていただくために、承諾率の高かったスカウトをひとつだけ紹介します(ただし文面だけを鵜呑みにして真似することは絶対にやめてください。その発想はコピペ沼の入り口です)。

承諾率の高いメッセージ文例

増田様(スライドでお名前を拝見しました)

株式会社ミシカルマンマンスでエンジニアマネージャーを務めている古楠と申します。 iOS開発のご経験を豊富に積まれていること、スクラム体制の中、案件の主担当としてチームを引っ張っていらっしゃる点に魅力を感じ、お話をしてみたくスカウトをお送りしました。

現在、当社では「Mythology」という20万人以上が利用するiOSアプリを開発しています。ユーザー数が大きく伸び、さらにサービスの質を向上させるフェーズを迎えた中ですが、実はアジャイル/スクラムを取り入れた開発スタイルを構築したばかりです。

この点で増田様の知見を発揮していただけたら、と勝手ながら考えております。 他にも、大手キャリアと連携した新規アプリ開発や、企画段階から携われる自社新規サービス開発といったプロジェクトもあり、仕事の幅を限定したくないと記載されている点ともマッチしていると感じております。

少しでも興味をお持ちいただけましたら、ぜひ一度、カジュアルな情報交換の機会をいただけませんでしょうか?お気軽にご返信いただけますと幸いです!

承諾率の高いスカウトのポイント3つ

このスカウトのポイントを3つだけあげます。

  • 送り主がエンジニアで、相手を理解していることを示している
  • 相手の経験が、自社で活きることを事業背景に絡めて伝えている
  • 公開されていたスライドにお名前が記されていたので、宛名に加えている

繰り返しの補足となりますが、ここで紹介した文章を真似るだけではだめです。小手先のテクニックはすぐに陳腐化します。
そのうちコピペに見えないスカウト文を自動で作成するサービスも登場するでしょうが、そういったものは、いずれ受け手に見透かされるはずです。

大事なことは、相手の反応をみて常に自分の頭で改善し続ける、真実に向かう意思です。


コピペで通用してしまう企業もあった

散々コピペスカウトをディスってきましたが、文中で紹介したようなコピペスカウトでも高い承諾率を誇っている企業もいくつかありました。 これを記載しないのはフェアではないので、紹介いたします。

コピペでも承諾を獲得できる企業の一番の特徴は、
既にエンジニアに対するブランディングが出来ているということです。

正直、筆者も Google に会いに来ませんか?と言われたら、行ってみたくなります。これは経営の勝利であり、ブランディングの勝利であり、日々のエンジニアの活動の賜物です。

しかしながら、知名度の高い企業には、知名度の高い企業同士での熾烈な戦いがあり、より転職市場で人気のエンジニアを採用しようとする場合にはコピペスカウトだけではダメなことは自明です。

結局、今の自分達より背伸びした人材を迎え入れたい場合には、コミュニケーションの質にもこだわり続けるしかないのです。


エンジニアの皆さまにお願い

自社の採用を担当されている方にこの記事をご紹介していただけるでしょうか?インタビューによって、コピペスカウトが効果的でないことに気付いていない採用担当者の方が多いことがわかりました。

もしかすると、あなたの会社の採用担当者が、悪気なくコピペスカウトに加担してしまっているかもしれません。Forkwell Scout を利用する/しないに関わらず、警鐘を鳴らしていただけると幸いです。


最後に

コピペスカウトは、それを受け取ったエンジニアの生産性を貶め、最適なマッチングを埋もれさせ、エンジニアの成長機会を阻害する、諸悪の根源です。

Forkwell Scout では、エンジニアが成長するための選択肢を広げられるよう、スパムのないスカウトサービスを目指して運営しています。

現状は、まだまだスパムまがいのスカウトが送られることもありますが、不断の努力で改善してまいりますので、この世界観に共感してくれる方は、ぜひキャリアの選択肢として Forkwell Scout でスカウトを受け取ってみてください。

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皆さんの厳しいフィードバックをお待ちしております。