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スカウトはラブレター。サイバーエージェント×ナレッジ・マーチャントワークス 対談イベントレポート

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スカウトはラブレター。1人1人に宛てたものを。

Forkwellでは、「もっと多くのエンジニアと企業の出会いを作りたい!」という思いから、スカウトノウハウセミナーを行なっており、第3回目となる今回はスカウトの活用についてサイバーエージェント若林宏治様ナレッジ・マーチャントワークス佐藤晶紀様に対談いただきました。

本記事ではその熱い模様を特別に大公開!ノウハウがみっちりつまった対談、ぜひお楽しみください。

――本日は、お集まりいただきありがとうございます。株式会社groovesの難波と申します。

お二人の対談に移る前に、Forkwell Scout について紹介をさせてください。このサービスは、簡単にいえばエンジニアに対してより良いスカウトサービスを作ることで、企業・エンジニア双方にとって良い状況を作るためのものです。

現在は、エンジニア1人に対して平均7社の内定が出るといわれている超・売り手市場です。聞く限りでは、5分間で13本のスカウトを受け取ったエンジニアもいるとか。ただ、そういう状況にも関わらず明らかにコピペとわかるようなスカウトメールを送ったり、「面接確約」と伝えたのに書類選考で落としたり、といった残念な事例も幾つか見受けられます。

私たちは、「スカウトメールはラブレターです」と言っています。相手のメリットをしっかり訴求できているか、経歴に「~~したい」と書いてある部分を把握しているか、「あなたがやりたいことは、弊社のここにマッチングしますよ」とを伝えているか、そういう部分が大事だと思います。

Forkwell Scoutに登録しているエンジニアは、やはり「自分宛」だと思ってスカウトメールを受け取っています。「自分だけに宛てた」メッセージを待っています。1人1人に向けて、ラブレターを書いていただきたいというのが趣旨の1つです。

今回、Forkwell 経由の成功事例をいくつかお持ちしていますが、象徴的な事例でいえば、24社とスカウトメールで競合した末に1社だけ返信をもらい、そのまま入社が決定したケースがあります。「将来的に起業したい」という要望をお持ちの方だったので、そこに対してズバッと刺さるスカウトを送ったのが返信に至った理由とのことでした。必ずしも他社と比べて技術的な訴求が高いわけではなかったものの、開発体制をゼロから構築したり、起業に活かせる環境を整えたりという部分でマッチングがうまくいった事例と言えます。 

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スキルレベルより「何をやっていたか」

――では、お2人のご紹介に移ります。まず株式会社サイバーエージェント若林宏治さんですが、6月のスカウトメール返信率が54パーセント。ちょっとおかしい数字ですよね(笑)。バシバシ内定承諾を獲得しているそうです。

 そしてナレッジ・マーチャントワークス株式会社 佐藤晶紀さんは初めて送ったスカウトにすぐ返信がきて、そのまま1ヶ月以内にその方とのご縁を決めていただきました。非常に巧みにForkwell Scout を活用いただいている経緯もあり、今回お越しいただきました。まずは運用体制について伺わせてください。基本的に、1人でスカウトを行なわれているのですか?

佐藤 弊社では、CTOとすり合わせてから行なっています。最初は僕がピックアップしたエンジニアの方々がA・B・Cランクのうちどこにいるかをチェックしてもらい、どの方を採用したいかジャッジし、そこからは自分が担当する形です。目線のすり合わせだけ、CTOにやってもらっていますね。

――CTOの方は、どういう基準でA・B・Cをジャッジされてましたか?

佐藤 スキルレベルよりも、「そこで何をやっていたか」というところでしょうか。あとは、弊社のサービスがBtoBtoCなので、親和性がありそうなアプリケーションを開発している方ですね。 

――若林さんは、目線合わせをやったりはしてますか?

若林 最初に現場エンジニアとスキルや経験年数などの採用要件を確認します。その後の、スカウト送付要件は、採用要件をもとに私が選定しスカウト送付しています。弊社は技術以上にマインド、成長性を重要視しているので、少し要件を広げて、まずはお話ししたいと思っています。

――スカウトに割く時間について伺います。若林さんは、毎日Forkwell Scoutをチェックしておられるとか。

若林 そうですね、毎日です。ずっとやっていると傾向が見えてきまして、新しく登録した人は返信率が良い傾向にあります。なので、毎日少しの時間でもいいので必ずForkwell Scoutをチェックしています。スカウトメールは、気になる人がいたらその場で送るようにしています。これまで何千人ものデータベースを見ていますと、新しい候補者が多くなるのは月曜日という傾向があるようです。

――佐藤さんは、毎週2時間ぐらいと伺いました。

佐藤 どちらかというと、まとめて見るようにしています。週末にやると返信率が下がるので、金曜日までにやるようにはしていますね。

――ちなみにスカウト以外の採用手法はありますか?

若林 弊社は昔からリファラル採用をやっていまして、リファラル経由での採用率は比較的高いですね。ただ、スカウトにはかなりの工数を割いています。 

佐藤 うちは社員数が10人弱なので、リファラル採用にも限界があります。なので、基本はForkwell Scoutです。あとは、フリーランスの方でも良いので週末だけ働いてくれる人、という枠組みでも探しています。

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「希望する技術」欄があり、文面を作りやすい

――スカウトって、慣れていないと難しさがありますよね。それこそ、1人が7社も内定を持っているという状況を理解しないと打ち手も変わってくると思います。お2人の、スカウト送信の際に重視するポイントを教えていただけますか?

若林 やはりタイミングですね。どれだけ早く送れるか。返信してくれた人と面談をセッティングするのも早くしているので、そのタイミングでは「御社が1番です」と大概は答えていただけます。スピード感は大事だと思っています。

――佐藤さんは重視しているポイントとして「スカウト文の作成」「必ず20通送り切ること」を挙げられていますが、これはどういうことですか?

佐藤 単純に、うちみたいな知名度のない会社はタッチポイントを増やさないといけないので、まずそこをやりきろうということですね。

――伺った限りでは貴社のビジョン、黒字経営が続いている等の差別化ポイントを複数用意し、かつ候補者のタイプを大まかに3つに分けて要素を組み合わせることで文章を作っているとか。

佐藤 そうですね、僕から見た弊社の差別化ポイントがだいたい3タイプだったので、そこで分けました。

1つ目は「ものづくり志向の方」ですね。自分が作ったものがどう社会に影響を与えるか知りたい方。そこは、うちの一番のストロングポイントだとも思っています。プロフィールに何も書いていない方も、ここに分類しています。 

2つ目は、「技術志向の方」。働く環境やフリーランス志向なども含め、「うちの会社でいろいろなことができますよ」という部分を刺しに行くことを狙っていますね。

3つ目は、「開発以外にも興味がある方」ですね。それこそ経営だったり。小さい会社なので経営者含めてミーティングをしたり、開発環境をすり合わせたりできるんですね。その3タイプに向けて訴求をしています。

――若林さんは文面とかで気にされていることはありますか?

若林 現状どんなスキルを持っているのか、弊社で生かせるのかは「弊社のプロダクトがこうで、あなたはこの技術を使っている。ココで活かせそうですよ」と文面で入れます。あと、Forkwellさんで特徴的なのは「やりたいこと」欄に「希望する技術」を書いてらっしゃる方がいることですね。「そこも叶えられますよ」と必ず言及しています。

――他媒体とForkwellの違いでいうと、やはりそういう「希望する技術」の部分でしょうか?

若林 断然そこですね。その人に対して何が刺さるかを考えるとき、他媒体では「今持っている技術が活かせる」はわかっても「次に何をしたいのか」はわからないことが多いので。Forkwellさんはそれがあるので、スカウトの文面を作りやすいですね。

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Forkwell Scoutの返信率は20~30パーセント

――Forkwell Scoutの強みについて佐藤さんは「返信率が高い」とお答えいただいていますが、他社媒体での返信率について可能な範囲で伺えますか?

佐藤 あ、弊社は他社媒体を利用していないです。

若林 弊社はWantedlyを併用していますが、Forkwellと同じぐらいですね。20から30パーセントぐらい。他の媒体だと10パーセント行かないぐらいですから、相当に高いです。

――スカウトだったら、10パーセント行けばかなり良い数字ですよね。

若林 登録者の方に向けて、例えば「新しく登録した人」「こういう興味志向がある人」でソートをかけることができるので、返信率が高くなっているのかなと思います。

――あとは、最初から転職に関心がある方ということですよね。

若林 そうですね、そういう方々が多く使っているのかもしれないですね。

――Forkwell Scoutでは、エンジニアが知りたいような情報を求人票に10項目にわたって記載する欄があります。エンジニアの方からは、「選びやすい」という声をいただいています。

佐藤 そうですね、エンジニアの方から「貴社はどういう環境ですか」という質問がそもそもないですから。返信が来る時点で、ある程度わかってくれている。とても大きなポイントだと思います。

――Forkwellで来た人の方が、より説明がラクという部分はありますか?

佐藤 「何のために来てくれているのか」が明確になりやすいと思います。

面談はプレゼンであり、おもてなしの場

――若林さんは、エンジニアの人がピックアップできなかったスカウト候補者をご自身がピックアップし、採用につなげたケースがあるとか。

若林 実は、Forkwell以外の媒体なんですけどね(苦笑)。やはり、スカウト候補者は(自分の目で)全部見たいんですよね。あと、エンジニアの方々は現場があるので、できるだけ(チェックする)本数を減らしたいので。

例えば職種や経験を入れる欄に、記入していない人がたまにいるんです。そういう人は検索に引っかかってこないんですが、そこを見落とさず全部拾う。あるいは細かく(プロフィールを)見て「こんな経験ある、この人良さそうじゃないですか」みたいな話をして、ピックアップしていきます。

――採用につながったところでは、スカウト後のメッセージのやりとりにも理由があるのではないでしょうか。メッセージのやりとりで、気にしてることはありますか?

佐藤 このあいだ決まった方については、1回会った時に相性が良いと感じたので距離感を縮めました。「さん」と呼ぶか「くん」と呼ぶか、語尾をちょっと変えるとかは会った時の感覚で考えています。真面目そうな方なら様は漢字にしたり、柔らかそうな方なら「さま」と開いたり。

――逆に失敗談を聞きたいのですが、佐藤さんはCTOとしてやりとりしてたのに自分の名前で送ってしまったことがあったとか。

佐藤 CTOとしてメッセージを送ってたのに、最後に自分の名前で「佐藤」と書いてしまったんです(苦笑)。そのあとフォローして、「システムのエラーで」みたいにシステムのせいにしました。

なぜCTOとしてメッセージを送ったかというと、一応理由がありまして。面談が終わった後、フォローの連絡をする際に毎回人事からだと「重いな」と捉えられると思ったんですね。それは嫌だなと思ったので、CTOとして送ったのですが……(苦笑)。

――若林さんは他媒体でスカウトしていた方に、別の媒体からスカウトを送ってしまうということがあったことか。こういうエラーを防ぐために、御社側で何か気をつけていますか?

若林 僕自身が記憶力を強化する以外ないですね(苦笑)。年齢の幅と大学名と会社で「たぶんこの人だろうな」と思うようにしています。だいたいみなさん同じタイミングで求人媒体に登録されるのでほとんどは覚えています。

――今回は、参加者の方にも事前アンケートを取っています。お悩みで多かったのが「面接から内定につながらない」というところ。お二方は、面接/面談において気をつけているところはありますか?

若林 弊社では、スカウトする場合は面談という形で僕が会うようにしています。候補者の方々には気持ちよく帰っていただけるようプレゼンすることを心掛けていますね。結果、選考に進んでくれるなら書類選考をやり、面接は2回か3回。スカウトを送ってからだいたい3週間ぐらいで決まります。

佐藤 うちは面談・兼一次面接を僕とCTOでやって、それでよければ技術要件はOK。あとは代表が一緒に働きたいかジャッジする、という2ステップです。ただ、基本的にはどの面談でも口説くスタイルですね。弊社を好きになってもらい、いろいろなことを聞き出すみたいなことは意識しています。僕が最初に会社のアピールをして温めた後、CTOにバトンタッチしています。

――2人の話を聞いていても共通してるのは「好きになってもらう」というか、「プレゼンする」「おもてなしをする」という要素がありますね。そこがポイントになって来るのかなと思いました。

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質疑応答

――以下、質疑応答になります。両社とも人事が面接をした後エンジニアが面接をするスタンスを取ってらっしゃると思うんですけど、どれぐらい不採用の割合があるのかお聞きしたいです。

若林 面談から僕のところを通過する率で言うと、3~4割だと思います。通常であれば僕は人事面接をする立ち位置なので、技術部分ではないマインド面を見ています。とはいえ、結構歴も長いので技術部分はある程度わかっています。そこでジャッジをし、僕が通した人からの書類面接や内定率は高いのかなと思います。そこでかなり絞っているので。

――企業さん・プロダクトによって違うと思うんですけど、エンジニアにもレベル差があると思います。どれぐらい許容範囲を設けておられますか?

若林 ほぼレベル3の人にしか声はかけてないですね。たまにレベル2の方にかける場合は年齢とか他の付随する経験値も見ていますが、基本的にはレベル3のエンジニアだけですね。

佐藤 うちはそこまで見ていないかもしれません。謙遜しすぎている方もいると思っていて、習得スキルによってはある技術が低くても他の優先度の高い技術が高ければアプローチをかけます。成功事例もありますので、Forkwellさんに関してはガンガンアプローチしてみようかなと思っています。

――面談は、どういう構成で行なっておられますか?

若林 最初の10分ぐらいはグループ全体の話をし、その後5分ぐらいは本人にヒアリングをします。「現在は転職活動してるのか」「次に何をやりたいか」「得意なところは何か」など。それを聞かないと、うちで該当するポジション、やれることは見えないですから。また、刺さるポイントはどこにあるかを探っています。全部で40分ぐらいだと思います。

――このあたりでお時間となります、本日はありがとうございました!

スカウトノウハウについて余すところなく語っていただいた対談、とても盛り上がりました!参加者のみなさんには、このあとハンズオンでスカウトの打ち方について取り組んでいただき、盛りだくさんの夜となりました。

Forkwell では引き続きこのようなイベントを開催してまいります。次回のレポートもお楽しみに!

<了>

ライター:澤山大輔