Forkwell Press

エンジニアの生き様をウォッチするメディア

「場やコミュニティは実在しないので。定期的にやることが大事です」 小田知央・三宅悠介・大谷祐司(Fukuoka.go) 〜Community lovers by Forkwell

f:id:grooves:20180927162038p:plain photo by 谷脇彰   ※左から順に、小田知央氏・三宅悠介氏・大谷祐司氏

Forkwell Pressでは、「成長し続けるエンジニアを支援する」というスローガンの元、エンジニアが運営しているコミュニティをご紹介する企画をスタートします!コミュニティ運営の原点や想い、今後の展望などをインタビューし記事化することを通して、コミュニティのさらなる発展に貢献していきます。

今回は、福岡でGo言語をテーマにしたコミュニティとして、大きな影響力を持つ「Fukuoka.go」を取材しました。

最初の半年で、一旦燃え尽きました(笑)

――皆さんの簡単な自己紹介をお願いします。

【小田知央(以下、小田)】 GMOペパボの福岡支社で働いております、小田と申します。僕は技術部の技術基盤チームにいて、弊社のいろいろなサービスを横断し、課題があれば技術的に解決する対応をしています。あとは研究所もありまして、そちらで研究の手伝いもやっています。

【三宅悠介(以下、三宅)】 僕もGMOぺパポで働きつつ、研究開発を行なっています。

【大谷祐司(以下、大谷)】 私はサーキュレーションという東京本社のベンチャーでCTOとして社内システムの開発だったり、新しくwebサービスを作ったりなど、まるっとIT全般を担当しています。

――Fukuoka.goの設立の経緯を伺えたらと思います。設立されたのはいつごろですか?

【三宅】 設立は2014年です。僕がGo言語を書き始めた時期に、東京で行なわれた「Go Conference 2014 Spring」に参加したことがきっかけでした。福岡では当時Goをやっている人が少なかったので、「地元でもこの盛り上がりを分かち合いたい」と思って立ち上げました。

――参加者は、最初何人ぐらいだったのですか?

【三宅】 「東京の面白情報をお伝えします」みたいな感じでやったら15人くらいの人が来てくれて。この人数は当時の福岡ではかなり多いほうです。その後は、Goの話をしたり、もくもく会をしたりで10人前後くらいの規模で推移しています。ただ、最初はGo熱が高かったので毎月開催していて、伝えたいこともたくさんあったんですけど、半年くらいで燃え尽きてしまって(笑)。

【小田】 運営していくのもけっこう大変な作業じゃないですか。業務が忙しかったりで、空いてしまう期間がありました。

――どのような点が大変だったのですか?

【小田】 何しろコミュニティ運営というものをしたことがなかったので、模索しながらやっていました。人をどう集めるか、どういうターゲットにどうアプローチすると活性化するのか、全て手探りでどうして良いかわからない時期はありましたね。

【三宅】 結局それから半年~1年単位で開催が空いてしまったんです。2017年1月に大谷さんが福岡移住してきて、大谷さんもGo使いということで、「Fukuoka.goを再開しますか」となって。大谷さんが社外の人だったこともよかったですね、同じ会社の人だけだと業務の忙しさにかまけてズルズル行ってしまうところがあるので。その後は2・3カ月に1回のペースでやれています。

【小田】 大谷さんがネットワークを持っていたので、いろいろな方をご紹介いただいた効果もあります。いろいろな人と話をしていく中でモチベーションが上がって定期開催していく、そんな流れができました。

【三宅】 ちょうどその時期に福岡でエンジニアのサービスが増えてきていて、そういう意味でも今までより開放的になってきたというのもありますね。

f:id:grooves:20180927162041j:plain photo by 谷脇彰

まず自分たちが楽しい、がベースです。

――現在はどのくらいの規模のコミュニティなのですか?

【小田】 メンバーは100人くらいですね。沖縄から来てくださったり、東京の方も発表しに来てくださったりします。福岡の中では中規模くらいのコミュニティですね。Goという新しい言語を扱っていながらそれなりに人がいるという意味では、健闘していると思います。

――話を戻して、Goのコミュニティを作ろうと思った目的を伺えますか?

【三宅】 単純に、Go言語という楽しいことができる言語について、話せる場や人を増やしたくて始めたという感じです。Goを肴に酒でも飲みたい、というような(笑)。

【小田】 コミュニティを始めた時点ではそんなにGo言語を書いていなくて、会社でもGoを使ったプロダクトはなかったんです。でもGoに対して将来性を感じていたので習得したかったですし、習得するのに仲間が必要だなということで。

――Go言語の将来性は、どういうところにあるのでしょう?

【小田】 すごく雑に言うとCに近いパフォーマンスを維持したまま簡単に書けるという面で将来性を感じました。コンパイルが静的な言語で、ローレイヤーの部分をいじれる言語ってあまりないと思うんです。Cを使って色々なプロダクトを作れたらいいのですが、Cをうまく使うには相当なスキルがいるので。

――例えばElixirは大量のデータの処理に適していると聞きますが、Goにも得意な領域はあるのでしょうか?

【三宅】 Elixirに近い部分はあると思います、並行処理が得意だったりとか。シチュエーション的にはあらゆるところで使えると思いますね。Goが得意な部分は、APIだったり……。

【小田】 Linuxシステムプログラミングをやりたい人にとっては、いろいろなユースケースがある気がしています。

【大谷】 2015年頃から並列処理が得意でパフォーマンスが高い言語を調べていたところ、Go言語が良さそうだと聞いて使い始めました。書き始めてみるとすごく楽しくて、個人の趣味で書いているものも全部Goでやっています。

【三宅】 Goが好きで、Goで盛り上がりたい人が集まって、コミュニティが広がっていったイメージです。

【小田】 まず自分たちが楽しい、がベースですね。

――三宅さんがFukuoka.goを立ち上げられた時点では、まだ福岡でそれほどGoが普及していなかったのですよね。この数年で、普及には一役買ったのではないでしょうか。

【小田】 行動を起こすトリガーにはなったのかなと思います。福岡のエンジニアにとって、「Goをやりたい」となったとき「とりあえずFukuoka.goに行ってみるか」というような。行き始めると定期的に会う人が増えて、「じゃあ次発表してみようかな」となる、というか。

【三宅】 参加者のうち半分はGo言語を書いたことがない人、もう半分くらいはがっつり始めていてサービスや業務にも使って、出てきた課題を発表する感じになりましたね。裾野が広がっている実感はあります、単純に来る人も増えていますし。Go言語自体のバージョンアップが続いているので、そこへの信頼感もあると思います。

f:id:grooves:20180927162032j:plain photo by 谷脇彰

「発表多すぎ」という意見もありました(笑)

――楽しむことが業務に繋がっているという部分は、エンジニアさんのコミュニティならではですね。

【三宅】 そうですね、「楽しむ」ことについては、大谷さんが入ってきてから考えが変わってきていて。最初は「広めなければ」という気持ちが強かったんです。まだ書いたことがない人に知識を教えることは、自分の中でまとめになってはいたんですが、ちょっと義務感があって。モチベーションが続かなくなっていた部分がありました。 今では「基本、楽しむ」という方針です。初心者向けの指導もやりつつ、完全に趣味に走った、Go言語のコードが数行しか出てこないようなプレゼンをやったり(笑)。好き勝手やっているけど、Goというキーワードを中心にまとまっている。多様性のあるコミュニティになってきました。継続できる形になってきたのかなと思います。

【小田】 福岡にも誰もが知っている有名IT企業が増えたこともあって、いろいろなディスカッションができるようになりましたね。上から教えるだけじゃなく、平等に持ちつ持たれつ、技術についておしゃべりできる。「これから始めたいんです」という人に対しても優しくアドバイスできる。企業が福岡にたくさん来たこともあり、気づいたらうまくいっていたという感覚です。

――みなさん以外の参加者が、ガンガンプレゼンをしたり?

【小田】 発表枠はすぐ埋まります。みんな発表したがりますね(笑)。

【三宅】 アンケートを取ったら「発表が多すぎる」という意見がありました(笑)。懇親会の時間を設けているけど、そこの時間もつぶして発表にしたり。カンファレンスみたいになっていますね。

――他ではなかなか発表の場がない、というのもあるのでしょうか。

【三宅】 他ではやりづらいことができる空間として、機能している部分はあるかもしれないですね。ストップしていた期間に「Fukuoka.goやらないんですか?」という声もあって。(ストップしてしまって)申し訳ないという気持ちもありました。 最近思うのは、定期的にやるのはすごく大事ということです。結局、場やコミュニティは実在するものではないので。定期的にやっていろんな人が話さないと、存在を維持できなくなってしまいますから。

f:id:grooves:20180927162028j:plain photo by 谷脇彰

知的好奇心を刺激できるものを、提供したい。

――今後の目標はありますか?

【小田】 例えばFukuoka.goコミュニティの中にいる人が東京のカンファレンスで発表して、福岡の外でプレゼンスを高めていってくれたらと思いますね。

【三宅】 今東京でやっているGoカンファレンスの福岡開催などを、一緒にやっていけたら面白いと思います。

――県外からの注目度の高まりを感じていたりはしますか?

【小田】 沖縄から学生さんが来ましたからね。お金がない学生がやってきたので、みんなで旅費をカンパしたり(笑)。

【三宅】 ツイッターで実況を行なって、熱量を他地域にも発信するようにはしていますね。

――今後の活動の見通しを教えていただけますか?

【三宅】 とりあえず2018/10/4(木)に第12回のFukuoka.goがあるので、そこに向けて発表するネタを仕込んでいるところです。

――運営する人を増やそうと考えることはありますか?

【小田】 増やせるのであれば全然増やしたいですね。

【三宅】 今は3人くらいでちょうどいいくらいですけど。ただ運営3人だと、参加者は50人規模が限界。もう少し広い会場を使えるようになったら、運営を増やさないと回らなくなるでしょうね。疲れてしまったら継続できないという反省があるので(笑)。楽しんで無理なくやる方が、最終的に幸せになる人は多いのかなという気持ちです。

【小田】 運営には関係ないんですけど、高山温さん(ピクシブ株式会社)にも関わっていただいたり。沖縄の学生さんを連れてきてくれたのも高山さんです。そういう、みんなで助け合う気持ちがありますね。

――Fukuoka.goをやったことで、コミュニティ外への影響などはありましたか?

【小田】 東京に行って登壇したときに、「福岡でこういうコミュニティやってます」と言えることはよかったかなと思います。それによって、いろんなGoのコミュニティをやっている人と関われました。

【三宅】 昨日は東京でGoのもくもく会に参加してきたんですけど、福岡でこういうコミュニティやってますというと話のネタになりますね。東京の方はすごく食いつきがいいので、いろいろ話せました。 あと、コミュニティにしたことがよかったなと思います。対個人だと、関われる人数に限りがある。コミュニティだと、普段関わることのない人が来たりして輪が広がっていくので。Goの知り合いというのは格段に広がったと思います。

――コミュニティを運営するメリットは、実は運営者の方が大きかったりしますよね。

【三宅】 勉強会を聞きにいくだけより、登壇した方がいいですよね。発信する側になることでさまざまな情報が入ってきます。

【小田】 同じく運営側の方が、ただ参加するだけより学べる点は大きいですね。

――少し大きな話になりますが、現代のエンジニアに対して、こういうふうになっていったらいいなというご意見などありますか?

【小田】 Goでもそうなんですけど、Goを言語として使うところから入って、どういう仕組みになっているのか、自分が言語を作るとしたらどうするか、いろんな取っ掛かりからどんどん奥に入っていく流れができたらいいなと思います。全エンジニアに求めることではないですけども。 多分、Fukuoka.goに来てくださる方は、開発とか技術を楽しんでいる方が多いと思うんです。でも、世の中にはそうじゃないエンジニアの方が圧倒的に多いですから。会社を出て勉強会に参加することで、エンジニアリングの楽しみ方が見えることもあると思います。このコミュニティがそういうきっかけになればすごく嬉しいですし、そういう人が増える社会になればいいなと思いますね。

――会社の外で楽しさに気づいて、業務も主体的に楽しめるようになると。

【三宅】 知的好奇心を刺激できるものを提供できたら、と思っています。それまで知らなかった技術領域を知ると単純に楽しいと思うので。エンジニアにとって未知の知的好奇心を刺激できる場に、Fukuoka.goがなっていけたらいいなと思います。

【大谷】 レベルどうこうではなく、知的好奇心のある人なら面白さが伝わると思うので。そういう人に来てもらえたらなと思いますね。

【小田】 居心地の良さにも結構気を使っているんですよ、ごはんとか音楽とか。

【三宅】 小田さんのホスピタリティがすごく高くて、毎回おしゃれな空間で美味しいごはんを食べながら面白い話を聞ける環境なんです。そこも、人が集まっている理由かもしれないです(笑)。

――最後に、Fukuoka.goのPRをしていただけますでしょうか。

【小田】 ちょっとでも興味があれば、一回来てください。合わなかったらそれでいいし、継続的に関わりたいとなれば僕らとしては「やったー!」という気持ちです。技術的なレベルでは線引きしないので、どのレベルの方でも満足できるはずです。

<了>

ライター:澤山大輔


Forkwell Portfolioは、エンジニア向けのポートフォリオサービスです。 Gitリポジトリを解析して、あなたのアウトプットをグラフィカルに可視化します。

Forkwell Portfolioのご登録はこちら!

20180925152538