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何をやるかより、誰とやるか。西武史(株式会社diffeasy)~Forkwellエンジニア成分研究所

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「世界中の”むずかしい”を簡単に」

ーーdiffeasyさんという会社について、ご説明いただけますでしょうか。

西 diffeasy(ディフィージー)という会社名は「difficultをeasyに」という造語から来ています。「世界中の”むずかしい”を簡単に」という理念を元にしています。2015年に立ち上がって、四期目に入ったところです。もともと弊社は代表・副代表の兄弟で始めた会社です。

事業としては3つの柱があります。1つ目は、システムの受託開発です。オーダーメイドでのシステム開発をメインでやっていまして、「この業界のこのシステム」ではなく、いろいろな方の難しいことや困っていることを簡単にしていく受託開発をやっています。

2つ目の柱は「大会運営向上心」という自社サービスで、スポーツ大会の運営をサポートするサービスです。弊社は代表・副代表とも空手やキックボクシングをずっとやっています。自分たちもスポーツ大会の運営に携わった経験があり、大会運営の大変さを身にしみて感じていました。

スポーツの業界はまだまだアナログな部分が多いです。FAXでの申し込みが当たり前な大会も多く、手書きの文字が達筆すぎて申込書の字が読めないということも多々あります(苦笑)。それらをとりまとめて選手の一覧を作り、トーナメント表を作る、それらはすべて手作業。集金確認も同じで、参加費が間違いなく、きちんと支払われているかを確認するのにすごく手間がかかっていました。 大会の主催者の先生方はこうした作業をスポーツ教室や道場運営の合間を縫って、寝る時間を削ってまでやられています。 東京オリンピックを控えスポーツの向上を考えたときに、こうした大会運営の負荷が原因で、スポーツ大会が減っていくのは避けたい。この「むずかしい」を「簡単」にしたい、ということでサービスを始めました。おかげさまで、サービスはかなり広がっています。1つの大会で使うと、参加した方が「このサービスいいですね」「使いたいですね」とクチコミで広げてくれています。

3つ目の柱は、プロジェクトマネジメントです。弊社のメンバーには大きなプロジェクトのPM経験者が数名います。今年2018年2月にプロジェクト管理ツール「Backlog」を提供されているヌーラボさんが主催されたGood Project Awardでは、弊社が担当したプロジェクトが2017年に完了したプロジェクトの中でもっとも素晴らしいプロジェクトということで、最優秀賞をいただきました。単純にシステム開発だけでなく「お客さんの本当の課題は何か」というコンサルティング的なところから始めます。

例えば「QRコードで在庫管理をしたい」と言われたとしても、そのままやらずに、「なぜQRコードをやりたいのか、その目的は何か」というところを突き詰めていくと、実はQRコードを使いたいのではなく「在庫をきちんと管理をしたい」という真の課題が見つかります。そこに対してアプローチするコンサルティングやPM力が、弊社の一つの強みかなと思います。

ーーお客さんが例えばドリルを買いに来たとして、本当にほしいのはドリルじゃなくて穴であると。「穴を開けるための方法は、こっちのほうが良さそうですよ」ということですね。

西 そういうことだと思います。 こうしたプロジェクト管理のノウハウは「プロジェクトマネジメントアカデミー」という形で外部にもノウハウを提供しています。

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すべての人が、自分の人生を主体的に生きる社会の実現を。

ーー西さんは、2017年4月からジョインされたんですね。

西 そうです。もともとフリーランスでプログラマーをやっていて、diffeasyから仕事を受けていました。当時からdiffeasyには強みとしてPM力、コンサル力はありましたが、開発は外部のエンジニアにお願いするしかない、という状況でした。それで成長スピードを上げるために「社内に技術者がほしい」という話があり、入社を決めました。

ーー入社を決めたきっかけはどのあたりにあったのですか?

西 フリーランス時代にベンチャーの立ち上げや新規サービスの立ち上げを複数やっていたんですが、サービスは様々な状況に応じて日々変化すると思うんです。特にスタートアップの場合、「昨日はこう言ってたけど明日は違う」みたいな話は当たり前のようにあります。

そうなると、「何をやるか」も大事なんですが、「誰と一緒にやるか」が大事だと思って。フリーランスでは個の限界を感じる部分もあり、「誰かと一緒に事業をやろう」と考えたんです。そのとき、受託で案件を受けていたdiffeasyはスピード感など、一緒に仕事していて気持ちがよかったんですね。「一緒にやったら面白いことができるかもしれない」と考えてジョインしました。

ーー業務を行なう上で大事にしているモットーや、好きな言葉があれば教えてください。

西 私の人生の目標は「すべての人が、自分の人生を主体的に生きる社会の実現」なんです。以前の自分は自分の人生に責任を持てていませんでした。物事がうまくいかない時に「上司のせい」とか「会社のせい」とか周りの問題と考えがちでした。でも、ある1つのプロジェクトでの失敗経験をもとに、自分を見つめ直し、短い人生の中で自分のやることにいかに責任を持つか、を改めて考えるようになりました。

エンジニアは増えてきましたけど、みんなが自立できるのが理想だと思います。会社や社会は、不確実だと思うんです。会社や社会が変わっていく中で、エンジニアとしてプログラマーとして楽しみながら、個人のブランドを確立して、自分自身のあり方に責任を持ち、本当の意味で自立できる。そうあって欲しいですね。

ーーdiffeasyのホームページを見るとプロフィールに「0→1は得意。しかし1→10は苦手なので、仲間の助けが必要」とありますが、これは具体的にどういうことですか?

西 基本的に私、飽きっぽいんです(苦笑)。熱中している時とか、何もないところから形を作るときはものすごい集中力を発揮するのですが、次々に新しいこと、やりたいことに興味が移ってしまう。弱点でもあると思うのですが、そこを改善するというより得意なことを伸ばしていくのがいいんじゃないかと思って。1→10が得意な人もいるので、それは得意な人に任せた方が、良いと思っています。

他のメンバーも得意不得意はあるので、得意なところを伸ばしながら、苦手なところはそれが得意な人と協力した方が全体として生産性は上がると思っています。

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「未来に乗り遅れてはいけない」

ーーご自身の成長のために日々行なっていることはありますか?

西 「未来に乗り遅れてはいけない」というところでしょうか。会社としてCTOという立場にいるので、例えばブロックチェーンのような新しい技術が出てきた時に、会社として乗るのかどうか、キャッチアップするためにも知識は常に必要だと思います。

あとはアウトプットですね。アウトプットすることで自分の知識を整理するということと、社外のエンジニアから見たときに「diffeasyではこんな魅力的なことができるんだ」ということが可視化されるのは大事だと思います。勉強会に積極的に参加して発表したりとか、けっこう気をつけています。

ーーCTOとなると、手を動かす時間は少なくなってしまったりしますか?

西 単純に考えて、少なくなってきてるとは思います。ある程度権限を委譲する部分も多いので。とはいえ新しい技術に触れたり、新しいアプリケーションを作るのはもともと好きなので、業務に直接関係なくても趣味で開発はやっていますね。

ーー好きなことに「読書」とあげていますが、最近良かったもの、ビジネス書や小説であれば教えてください。

西 良かったのは「エンジニアリング組織論への招待 ~不確実性に向き合う思考と組織のリファクタリング」ですね。プロジェクトを進めていく上で、マネジメント的な視点で、どういうところに気をつけるとか、コミュニケーションの話とか、不確実性にどう対処していくのかが書かれていて面白かったです。

ーー今年読んだ中で一番面白かった本は何ですか?

西 バルミューダ社長・寺尾玄さんの「行こう、どこにもなかった方法で」です。ビジネス立ち上げのときの話が書かれていて、何もないところから立ち上げたストーリーとかめちゃくちゃ共感するというか。面白かったです。こういうパワーある人の話を読むと、「自分たちもまだまだやっていかないと」という感想を覚えました。

仲間が一番大事だと思う理由

――ここからは、西さんが働く上で大切にしていることについて、「事業内容」「仲間」「会社愛」「お金」「専門性向上」「働き方自由度」の6つの項目から合計20点になるよう、点数を振り分けていただきます。

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・事業内容 2 

・仲間 7

事業内容と仲間は繋がっています。何をやるかは勿論大事ですが、誰と一緒にやるかですね。いろいろやっていく中で、やはりスタートアップやベンチャーは日々変わっていくんですよね。

でも「この人とだったら面白いことができる」っていうのが根底にはあって。得意不得意や、考え方の違いは多少あっても、お互いに尊敬して信頼して一緒に成長できる、そういう意味で仲間が一番大事だと思っています。

たとえ事業内容が変わってもこのメンバーなら何でもできるな、と思っています。

・会社愛 1

仲間への愛はあっても、会社自体への愛はそれほど重視していません。働き方、会社の在り方も変わっていく中で、たまたまdiffeasyという会社に優秀なメンバーが集まってくれて感謝しています。ですがdiffeasyを愛してくれとか全然思っていないし、みんなが成長していく中で結果的に会社が成長するのが理想かなと思うので。

・お金 3

エンジニアとして、プログラマーとして、評価されたそれなりの対価というか。お金、給料というもので還元・評価したい、という気持ちがあります。価値を生み出す人にはそれなりの報酬、評価がなされるべきだと思うので、20点満点の中では3になりましたけど、お金も一つの大事な要素だと思います。

・専門性向上 3

プログラマーとしてやっていく上で、当然専門性の向上はベースになる土台だと思います。勉強して磨くよりは、「好きだから勝手にやっちゃう」という感覚なのかなという感じで3にしました。

・働き方自由度 4

弊社はリモートワーク制度も導入しています。私自身が時間や場所にあまり囚われたくない、という思いがあって。自分がフリーランスになったのも、家族と過ごす時間を考えたときに、場所とか時間が自由になるといろいろできるんですよね。

例えば、子どもが小さいうちは朝4時に起きて作業を始めて、夕方には仕事を終えて、子どもと遊んであげたり。時間と場所に囚われるから働きにくい・働けない人も結構いると思うのですが、集中して開発することは家でも全然できますから。 人生の中でその時の状況によって理想の働き方や優先すべきものは変わると思います。人生のその時その時のステージにおいて最適な働き方ができる環境を作っていきたいと思っています。

ーー今後、転職を志すエンジニアの方に向けてメッセージをいただけますでしょうか。

私自身も、31歳で仕事を辞めました。2人目の子どもが生まれたばかりで、家も買ってすぐというタイミングでした。当然不安はありましたし、反対する人もいましたが、本当に「こういうことをやりたい」という思いがあると、実現できるものだと思います。

誰かに対して不満を言いながら生きていくのは、もったいない。自分の人生に責任を持ち、自分のやりたいことに挑戦する。自分がやりたいこととか思いを明確にし、発信していると、周りの人が引き合わせてくれたり、チャンスに気付くということはあると思っています。

diffeasyとの出会いも、自分が仕事を辞めて踏み出したことがきっかけでした。もちろん不安はあるけど、変えないことの不安というのも多分あるので、それを抱えたままいくのも一つのリスクだと思います。どこかしらでリスクをとってチャレンジする、変えるのは必要なことかなと思います。

<了>

ライター:澤山大輔


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