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「『ブロックチェーン以後』のSFを楽しみにしています」谷口耕平(株式会社chaintope)~Forkwellエンジニア成分研究所

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ブロックチェーンのプロトコルレイヤーを開発しています

――本連載では初出となりますので、まずはchaintopeさんがどういう会社なのか教えていただけますでしょうか。

谷口 ブロックチェーンという技術が、仮想通貨とともに注目を集めています。弊社はそのブロックチェーンの「プロトコルレイヤー」と呼ばれる、ネットワークの根幹になる部分の研究開発を中心に、ブロックチェーンの応用展開を研究する会社です。現在、プロトコルレイヤーに関心があるエンジニアを募集しています!

――いつ頃にできた会社なのでしょう?

谷口 2016年12月27日に創設されました。もともと株式会社ハウインターナショナルというソフトウェア開発会社があって、そこからスピンアウトした会社になります。chaintope側の活動が本格化する中、2018年夏頃からハウインターナショナルのメンバーが移籍する形でチームが作られました。マレーシアにも「chaintope Malaysia」という現地法人があり、15・6名ぐらいのチームが立ち上がっています。

――谷口様は、いつ頃からchaintopeさんにジョインされたんでしょうか?

谷口 2018年夏です。ハウインターナショナルの方に元々勤めていて、年頭ぐらいからブロックチェーン関連事業に参画し、夏から本格的にchaintopeに移籍してブロックチェーン専属のエンジニアとして動いています。

――谷口さんの業務内容を教えてください。

谷口 直近でやっているのは、Bitcoinのテクノロジーをベースにした研究開発です。Bitcoinそのままのプロトコルだと応用しにくいところもあったりするので、応用したい領域に合わせてプロトコルを拡張したり変えたりしながらチェーンを作る部分です。

あとはビジネスサイドのサポートですね。技術的なところも抑えないとブロックチェーンの応用を考えることはなかなか難しいので、ビジネスサイドとチームを組んでいます。例えば新しいトークンを設計する時にそれは実現可能か、新しい技術などで今後実現できるようになる可能性があるのか、等のディスカッションに加わったりしています。

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ライフサイクル全般を通し、一貫した価値を届けること

――ITに興味を持ったのはいつ頃からですか?

谷口 高校生ぐらいの時ですかね。SFが好きだったので、そういうところからコンピューターのネットワークに興味を持ち始め、九州工業大に入ってから本格的にコンピューターについて学び始めました。

――九州工業大では、どういうことを学ばれていたんですか?

谷口 学部卒なので大した研究はしていないんですけど、たくさんサーバーがあるネットワーク環境の中でシステムのパフォーマンスをどう見積もるか、といった数学的なモデルの研究をやっていました。ウェブにも興味があったので、大学の勉強とは別にウェブアプリを作ったりしていましたね。

――学生時代からエンジニアリング一筋だったんですね。

谷口 エンジニアになるのは大学に入る前から決めていたので、それに沿った道をずっとやってます。そういう意味で、寄り道はしていないですね。

――2010年4月にハウインターナショナルさんに入社し、どんな仕事から始められたんですか?

谷口 最初は、大学向けのシステム開発をやっていました。入社当初はちょうどアジャイルが国内で広まるタイミングだったのですが、現場レベルでは浸透していないタイミングだったので、「どうアジャイルを現場に取り込むか」という話が盛んに議論されていました。社内の読書会とか、ランチミーティングでもディスカッションをしていましたね。

アジャイルソフトウェア宣言」の中で響いたのが、「ソフトウェアの価値を届けることを、大事にする」というところですね。ソフトウェアの価値とはなんなのか、いつ生まれるのか。その辺の話をきっかけに、ソフトウェア開発はコードを書くだけでなく、デリバリーからオペレーションまでライフサイクル全般を通し、一貫した価値を届けることが大事だと思いました。

――ブロックチェーンのエンジニアに移るまでは、どういう経緯があったんでしょう?

谷口 入社から2017年までずっとアプリケーションサイドをやってたんですけど、専門分野を限定せずにやってきた結果、キャリアの進め方に分岐点が見えてきたなという思いがあって。

それは上流・企画からやるキャリアの進め方なのか、それともコアな専門性に特化したキャリアの進め方なのか。どちらに行くか決めないといけないな、と感じていました。その中でブロックチェーンの事業が立ち上がり、技術的に深いところまで突っ込まないと取り組めない面もあったので、後者の進め方を選択した形ですね。

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自分のスタンスを、ポリシーで固定しない

――業務を行なう上で大事にしているモットーや、好きな言葉があれば教えてください。

谷口 雑多にインプットをすることですね。世の中の役に立つものを作りたい気持ちはありますが、それは普通の話かなと思うので。技術に限らず、ジャンル問わずインプットして、覚えることに拘泥せず、ある程度忘れて自分の状態を固定しないようにしたい気持ちがあります。

――良い意味でジェネラリストでいる、ということでしょうか?

谷口 スペシャリストにはなりたいですけど、スペシャリストになるにも教養が必要かなと。深掘りしていくためにも、同じジャンルをずっとやるのでなく、いろんなことを学んだ結果何かが繋がって深く掘れるようになるのかなと。

例えば教育事業をやってた時はUXデザインを勉強していたんですけど、同時に学習科学とか認知心理学を調べる中で両者がだんだん繋がっていき、双方の理解が深まっていくことがありました。人間に絡むテーマという面では共通しますから、そういう「ふと繋がること」があって理解が深まることは多々あります。

雑多にインプットしていけば細かい話は忘れるんですけど、インプットされたことが総合的に自分自身をバージョンアップさせるのかなと。思考の変化を、自分自身で楽しみたいですね。自分のスタンスを、ポリシーで固定しないようにしています。

ーーそれに関わってくる話かもしれないんですが、ご自身の成長のために日々行っていることはありますか?

谷口 SFを読むことは、昔からやっています。テクノロジーに興味を持つきっかけも、SFからでした。エンジニアって新しいものを作って、世の中に大小なりインパクトを与える仕事だと思うんです。SFで表現されるような、「こういう技術が生まれたから、こういう世の中になる」といった話とすごく近いと思っていて。SFを読みながら未来について想像し、ワクワクするのがモチベーションになります。

ブロックチェーンが出てきてから、SF的なネットワークの表現に「これはブロックチェーン以前の世界観だな」と思うことが増えました。今後出てくるSFでは、ブロックチェーン以後の世界観が出てくるのを楽しみにしています。SF作家さんの想像力ってすごいので。

――ブロックチェーンは別としても、これまである種SF作家が先行し、技術が後追いしている部分があると。

谷口 そうですね、それはあると思います。SF作家さんが想像して、わかりやすい形で世にシェアする。結果、その概念が広く理解されて研究開発の対象になる。そういう流れはあるんじゃないかなと思います。AIという概念は、SF作品から「こんなイメージだよね」というものを共有していると思います。少なくとも、一般人の理解は深めていますよね。

例えば、遠心力で重力を発生させる装置。SF映画で表現されると「なるほど、ああいう風にできるな」と想像がつきます。SF作家さんのリサーチ力はすごいですよね。SFで軌道エレベーターの話も書かれますけど、軌道エレベーターを建てるなら地球の赤道上どこが適切とかもリサーチされていますし。昔のSF作家さんは、もともと物理学者や数学者も多いですよね。

――「2001年宇宙の旅」作者であるアーサー・C・クラークもそうですよね。

谷口 そういう方がSFを書かれていたりするので。数学者の方の作品は、話が高度すぎてわからないこともあったりするぐらいです(笑)。

やりたい仕事を実現するには、タイミングが重要だと思います

――ここからは、谷口さんが働く上で大切にしていることについて、「事業内容」「仲間」「会社愛」「お金」「専門性向上」「働き方自由度」の6つの項目から合計20点になるよう、点数を振り分けていただきます。

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・専門性向上 5

エンジニアとしてやっている以上コアな技術、世の中にインパクトを与えるような技術をコアにやりたいという憧れがあります。そういう部分に時間を割けるチャンスを得ているので、専門性に大きく力をつけるタイミングかなと思っています。ブロックチェーン系のことをやり始めてから、こういうチカラの割り振り方になりましたね。

・働き方自由度 5

振り返ると、自分の生活を維持することが最優先だなと思っていて。2年前に結婚したんですけど、妻が住んでいたので横浜に引っ越すことを決め、会社に承諾を得てリモートワークさせてもらっていました。今は妻が育休に入っていることもあり、福岡にいる方がやりやすいので福岡在住です。自分の生活をまずベースにし、その上でどう働くかという優先順位で動いています。

――子育ては福岡でされるんですか? それとも横浜に戻られるんですか?

谷口 妻も自分の仕事をやりたいので、仕事に復帰するタイミングで横浜に戻ろうかなと思っています。

――奥様の都合で拠点を変える、というのは珍しいケースかもしれません。

谷口 子育てを考えると、女性の負担が肉体的・精神的にも大きいので。困ったときに妻の実家に頼れることは大きいなと思います。

・事業内容 3

他の項目との絡みで下げざるを得なかったんですが、もちろん重要だと考えています。「技術的なところをしっかり押さえて、それから事業に対して貢献する」のが順番かなと。

・仲間 3

もちろん大事だと思うんですけど、下げざるを得なかったという感じですね。コミュニティ運営もやっているのですが、そのコミュニティ自体も同じ福岡で働くエンジニアの人たちに助けてもらっています。

・会社愛 2

会社愛というより、会社で働く仲間への愛着が大きいと思います。結局は、人間だと思うので。その人たちと何をやるか、という意味で会社自体にこだわるわけではないなという感じですね。

・お金 2

生活に足る分だけあれば、そんなに気にしないですね。ある程度生活の見通しが立っている間は、そんなに気にしなくて良いと思うので。

――最後に、キャリアに迷っているエンジニアの方々にメッセージをお願いできますでしょうか。

谷口 僕自身が迷いの中で数年を過ごしてきたんですけど。タイミングは重要かなと思いますね。いつ動くか、今手を挙げるか、挙げないか。実力はもちろんありますけど、タイミングを見極めることの方が、やりたい仕事を実現するためには大事だと思います。

自分自身はブロックチェーンに大して詳しいわけではなかったんですが、ブロックチェーンに取り組む人をもっと増やしたい状況があり、その中で「興味がある」とずっとアピールしてきました。これから知識を深めていく前提で、ブロックチェーン専門の会社に移籍したわけです。タイミングを逃さないことが、大事だと思います。

<了>

ライター:澤山大輔

jobs.forkwell.com


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