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健康管理&モチベーション管理(キャリア)後編〜コミュニケーションのアンテナ〜

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今回は前編の健康管理の続きであるメンタル管理と、モチベーション管理についてです。

前者についてですが、エンジニアに限らず個人のメンタルヘルスの不調は社会的にも大きな課題となっています。メンタルヘルスは自分自身で行うセルフケアと、管理監督者が行うラインケアの2つに分かれています。体調(フィジカル)管理と同じく、まずは自分でできる範囲から取り組むことを求められています。

そして後者のモチベーション管理については、世代を問わず仕事に関しては避けて通れない話題かと思います。なぜなら、プライベートで嫌なことがあれば本来仕事とは別なはずなのに、仕事のモチベーションも引きずられて下がってしまいます。恋人に振られたりペットが亡くなった翌日に、”よし仕事を頑張ろう”と思える人は少ないでしょう。

というわけで、それぞれ見ていきましょう。

メンタル管理

いきなりで恐縮ですが、筆者は本サイトのインタビュー記事にあったとおり、うつ病の経験者です。なぜうつ病になったかをロジカルに紐解くと、

精神へのダメージ=ストレス >>> 一日での回復量

これがチリツモとなって、閾値を超えるとある朝ベッドから起きられないとなるわけです。精神に限らずフィジカルも

一日受けたダメージ >>> 一日での回復量

であれば、何かしらの病気や怪我につながるでしょう。それでは、ストレスやダメージを減らすアプローチと、一日における回復量を増やすアプローチ両面から見ていきましょう。

精神へのダメージ、ストレスを減らす

ストレスとは何でしょうか。きちんとしたエビデンスのある論文を検索してみると、

一般的なストレス:身体的、精神的、感情的緊張またはその状態

別の定義/表現:実際に要求されたものや感知したものが、個人が投入できるものを超えた時に感じる緊張やその状態

とあります。 直訳すると精神的負荷ですので、バイオリズムだったり気分が下がるような事象を指していると言えるでしょう。また、これらの定義からすると、ストレスそのものは目に見える形で存在しておらず、人の知覚そのものだと言えるようです。

とすると、やはり違うのです。以前連載で書きましたので一部重複しますが、

  • 雨が降った=事実
  • 電車遅れるかもしれない、嫌だなー、傘邪魔だな=解釈(認知、認識、知覚)

人は事実からなにかを認識します。エンジニア的にいうと入力/Inputですね。認識は出力/Outputですね。入力と出力の間にあるのは、個人の性格や認知だったりフレームと言われるものです。雨が降ったこと・事実がストレスなのではなく、嫌だなと知覚したことがストレスなのです。

雨が降ったという事実は変えられませんし、性格を変えるのは難しいとしても、認知とフレームは変えられるはずです。フレームを変えることでストレスを減らすアプローチを試みましょう。第一歩としては

  • 事実と認識は違うことを理解する
  • 認知とフレームをポジティブになるようにする=雨が降るというような変えられない事実、コントロールできないものをネガティブに思わないクセづけ

です!

雨が好き、嫌いは個人の好みですが、そもそもなんで嫌いなのかと自分で内省してみるもよし。嫌いな理由がちゃんとあるのであれば仕方ないでしょう。しかし、人はなんとなくだったり他人が言っているからこう考えている、という側面もたくさんあります。理由がないのであれば、”あ、実は自分の思い込みが強いだけなんだな”と気づけますし。別に雨に嫌な思いを持たないようにすればいいのです。

ここでは、ポジティブシンキングを押し付けるわけでも、ネガティブシンキングを否定するわけでもありません。ただ、自分がなんとなく意思決定していて、それがネガティブに振れているのであればもったいないのでは?というだけです。 あれが気になる、これが気になる、文句をつけるなど、マイナス思考の方は認知そのものがマイナスになっているので、なんでもかんでもマイナスに捉える傾向が助長されます。その点において、ネガティブシンキングや他人への愚痴が多いことは危険性をはらんでいると言えますのでご注意を。

起きた事実をネガティブに捉えないことがストレスそのものを軽減するとだけ覚えて、実践していきましょう。

回復量を管理する

人が回復したりエネルギーを得るのは、食べ物か睡眠の2つです。回復量を管理するには、食事か睡眠を改善しようと考えるのが自然かと思います。食事については前述の通りですので、後者の寝る方についてお話します。人はゲームと違って宿屋で寝ても、HP(体力)、MP(精神力)は満タンに回復しません。それはなぜかというと睡眠時間と睡眠の質がパラメーターに影響しているからです。ショートスリーパーで問題ない方はおそらく睡眠の質が高いからでしょう。そのあたりは研究者におまかせするとして、それぞれをどうすれば良くなるか見ていきましょう。

睡眠時間の管理

妥当な睡眠時間についてはいろんなエビデンスや個人差がありますが、それはさておきここでは7.5時間を標準睡眠時間としましょう。詳細な説明は省きますが、人はノンレム睡眠とレム睡眠を90分単位で繰り返しているので、5セットの7.5時間を目安とします。

睡眠時間が少ない場合は単純にどうやって増やすかですね。タイムマネジメントが必要となります。残業が多いとか会社を出るのが23時とかだとそりゃ寝るのが遅くなる=睡眠時間が減ります。睡眠時間以外の時間をどうやって短縮するのか、戦略を練って実践する必要があるわけです。

コントロールしやすいのは通勤時間です。会社に近いところに住んだりリモートワークを取り入れるのが、時間捻出に手っ取り早いソリューションです。仕事時間を減らすのは自分のスキルを上げたり(すぐにはできない可能性が高い)、周囲との業務量の調整や交渉が必要(これもすぐできるとは限らない)ので即効性が高いものを取り上げました。

睡眠の質の管理

次は入眠と睡眠の質です。ベッドに入ってから寝るまでの時間が長い=入眠しにくい方です。これも具体的な解決策をリストアップします。

  • 部屋を暗くする=質の高い遮光カーテンの用意
  • スマホやPCなどの明るい光、ブルーライトを寝る直前に浴びない=22時以降はナイトモードにする(※スマホだけでなく、PCもブルーライトをカットするアプリケーションがWin/Macともにあります)
  • 音が気になる方は遮音度が高いカーテンや耳栓などを準備(適度に音がある方が寝やすい方もいます)
  • 寝る=鎮静作用や副交感神経に作用するもの=アロマなど匂いを整える
  • 睡眠促進のサプリ(※お医者さんで処方される睡眠薬ではなく、メラトニンが入ったサプリ)を活用

あたりが挙げられますので、不安に感じるところがあれば対策するのをオススメします。遮光カーテンは一級と書かれたものがよいでしょう。遮光/防音両方ついたものもありますし、良いカーテンはエアコンの効果を上げる作用もありオススメです。

他に事象としてよく見られるのは、

  • 寝る前の飲酒→少量であれば睡眠誘導にはなるが、量が多いと睡眠の質が落ちる
  • 寝る前の食事→血糖値が上がるので眠くなり寝ることはできるが、内臓が動いているため質そのものが下がる可能性

です。それぞれ自分に合うものを試してみるとよいでしょう。

健康管理を無理やりまとめるとするなら

結局のところ、ここであげた対策は一般的でシンプルなものしかありません。当たり前のことを当たり前にするしかなく、なにか特効薬的なものはありません。あったとしたらそれは眉唾ものと言えるでしょう。

ですが、その当たり前がなかなかできていない、難しいのもよくある話です。そのうち何ができていなくて、どれが改善しやすいか、手を付けやすいかをご自身で判断して実践して頂くしかないのです。

モチベーションの管理

最後に、モチベーションの管理についてです。 モチベーションそのものを管理する=アップダウンそのものを無くすのは不可能です。であればできることは2つだけでしょう。

  1. 上下幅を小さくする
  2. 自分の上下の傾向を知る

です。 1) については、ストレスのところで述べたので割愛するとして、2) についてです。上下そのものは無くせない、嬉しいことがあればモチベーションは上がるし、つらいことがあればモチベーションが下がる。

モチベーションそのものを管理するのは難しくても、何が自分のモチベーションを上げる、下げるのかは知ることができます。そこでオススメは日記やブログを書くことです。起きた出来事と自分がどう思ったかを、あるがままに記載します。そうすれば自分の傾向と対策はわかります。正確な傾向と対策を取るためには、できれば90日をオススメしますが、30日でも最低限必要な傾向は見て取れるはずです。

自分はこういうときにテンション/モチベーションが、上がる/下がる。それを知るだけでもすごく生きやすくなるし、ひいてはモチベーションを管理していることとほぼ同義です。日々のエンジニアとしてのアウトプットに組み込んでみると良いでしょう。

最後に私が実践しているモチベーション管理ですが、落ちた時のルール(ポリシー)決めです。落ち込んだり腹が立ったり嫌なことがあったら、その日だけは愚痴るのはOK!ただしその日に吐ききること。というポリシーを実践しています。愚痴っても意味がないですが、人間なので愚痴らず貯め込むのも、余計なストレスなので私はこういうふうにしています。もし参考になれば幸いです!

まとめ

今回はメンタル管理とモチベーション管理についてお伝えしました。 メンタル管理については、自分の認知(認識・知覚)を知り、起きた物事は変えられないので、それをネガティブに知覚しすぎないようにしてダメージを抑える。 回復量を増やす=睡眠の量と質の改善を図ることなので、ご自身にあった効果の高い施策を実践することです。 またメンタル管理に限らず、自分のモチベーションの上下の傾向を知ることで、対策も打ちやすくなり、一定期間におけるパフォーマンスの合計値も上がることでしょう。

さて、コミュニケーションのアンテナも次で最終回です! これまでの総集編に加え、コミュニケーションについての思いもお話します!お楽しみに!

(記事:金子 雄太郎)

フルスタック・ジェネラリスト。教育コンサルとして企業向け研修を行い、内容はヒューマンスキルやITスキル向上のカリキュラムなどオールジャンルの講師を実践。コンテンツも自身で作成する。 元々は、IT業界でSEを6年半経験した後、2012年2月独立。編集業や企画も扱う。 ライティング・編集もジャンルにこだわらず。ビジネス、サイエンス、エンタメ、法曹、Webメディアとオールラウンドにこなす。 関わった人々全員を幸せにするのが、密かな野望である。