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「成長したいのに環境に恵まれない人たちを助けたい」金山貴泰(株式会社ローカルイノベーション)~Forkwellエンジニア成分研究所

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インターンは「行かなきゃいけない」ものではないと思います

ーーまず、株式会社ローカルイノベーションさんの事業内容について伺えればと思います。

金山 弊社は、エンジニアを志す学生向けに就職支援サービスを行なっています。就活中の学生エンジニアに特化し、IT・Web系企業を中心に紹介をしています。私は入社2年目でして、「CareerSelect」というサイトの保守・運用がメイン業務です。就活イベント情報を出していたり、企業や専任のキャリアアドバイザーとつながることができる、学生エンジニア専用の就活サイトですね。

ーー Podcast「おしごとam」の運営はいつ始められたのですか?

金山 スタートは今年6月です。5つのタイトルを持っているのですが、この半年間で39本も配信をしていました(笑)。週に2本ペースです。

ーーエンジニア業界では、Podcastが流行しているのですか?

金山 そうですね、2、3年前からググッと来ていると思いますね。rebuild.fmという、今でもTech系で有名なPodcastが4、5年前に始まっていて、そこが親世代だと思います。gamiさんの「しがないラジオ」は子世代、そして私たちが孫世代かなと。実際、私は「しがないラジオ」の影響で始めました。

ーーPodcastを始められる以前から、何かしらアウトプットはされていたのですか?

金山 いえ、Podcastをやるようになってからアウトプットが加速しました。今年5月頃に「Growthfaction」というてぃーびーさんが起こされたコミュニティに参加したことがきっかけでした。そのコミュニティは「成長と充実を研究する会」というもので。「成長のためにはアウトプットが必要だ」ということで、ブログやツイッターなどがある中で私はPodcastをやってみようと思って始めたという経緯です。

ーー今までの配信の中で、特に手ごたえがあった回はありますか?

金山 人材業界の話をしたときは刺さったようでした。例えば、「学生はインターンに行くべきなのか」というテーマ。学生の中で、空気として「行かなきゃいけない」という感じがあるのですが、実際は(その会社に)行ってみないとわからないですよね。

僕の意見は「必ず行かなきゃいけない、なんてことはない。自分で何か作ってみたり、研究に集中してもいいはずだ」と思います。行くなら目的意識を持ってちゃんとやろう、業界の流れに乗せられちゃいけない、ということを熱く語りました(笑)。結果、学生だけでなく社会人からも反響はもらいましたね。「学生の頃に聞きたかった」という声もありました。

ーーなるほど。インターンに行くことのメリットは、どのあたりにありますか?

金山 企業の中を知るには、良い機会だと思います。「明確にこういうことをやりたい」「こういうところで働きたい」というビジョンがある場合、中に入って実際のところを体験したほうが良い。「経験を積むために」みたいなあいまいな目的で行くべきではないと思います。

ーーエンジニア向けのインターンでは、具体的にどういうことをやるのですか?

金山 もちろんコードを書いたりすることもあります。モノにもよりますが、有償の場合も多いですね。短期だとハッカソン形式になっていたりすることもあります。パターンも選択肢もいっぱいあって、選ぶのが難しいですね。

ーー企業側は当然、優秀な学生を囲い込みに行くわけですから、双方の思惑を理解することが大事そうですね。

金山 そうですね。そこに、弊社のような会社が間に入る意味があるのかなと思います。

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SESの若手エンジニアを見て、人材業界に興味を持ちました

ーー新卒では、どのような会社で働かれたのですか?

金山 大学院を出て、新卒でWeb系のポイント事業会社に就職しました。そこを選ぶ際、今働いているローカルイノベーション社のサービスを利用しました。弊社が紹介してくれて、入社したという形ですね。

そこでは2年間働きまして、最初の1年半くらいはPHPを使ってキュレーションサイトの保守運用をしていました。最後の方はサーバーやシステムを変える大きめのリプレイス案件で、インフラやバックエンドの方を触らせてもらっていました。

ーー転職したきっかけは何だったのですか?

金山 前の会社は「親会社の下にある子会社」という感じだったので、スピード感がやや重たく感じられて。人工知能や自然言語処理を使って何かやろう、というプロジェクトを進めようとしたんですが、承認にすごく時間がかかったり。実装は1日なのに、承認を得るのに3日かかる状況で「ちょっと違うな」と思って。

それで今の会社に「どこかいいところないかな」と転職相談をしに行ったところ、「じゃあ、うちに来ないか」と誘われたんです。入社する際には「人材業界に興味があるか」という部分を確認されたんですが、実はその頃ちょうど人材業界に興味が湧いていたんです。

――何かきっかけがあったんですね。

金山 前の会社に居た頃、SESの人が数名ジョインしたことがありました。残念なことに、その人たちは聞いていた話ほど仕事ができなくて。教育コストをかけられる状況でもなかったので、お互い不幸になったということがありました。

SESのエンジニアさんたちは、みんな若い人でした。「なんでそこ(派遣元)に入ったの?」と聞くと、「就活でうまくいかなくて、そこしか行けなかった」と。それを聞いて「何かおかしいんじゃないか」「人材業界を変えられないか」という気持ちが生まれたんです。

ーー技術書典での「セイチョウ・ジャーニー」にも、そういった思いが込められているんでしょうか?

金山 そこはまた別の切り口なんですが、もちろん根本には「成長したいのに環境に恵まれない人たちを助けたい」という気持ちがあります。私はこのうち「言葉のセイチョウ・ジャーニー」を担当しています。Podcastをやっていて、言葉を使って意図を伝えるのはすごく大変だという実感があったので、その難しさについて書きました。

言葉の選び方次第では、聞き手に誤解を与えてしまうケースもあります。例えば「ちょっと考えればわかるでしょ」という言葉。ブラック企業での発言として考えると、部下にとってはすごいプレッシャーですよね。でも、チャレンジングな会社での発言だと、部下にとっては良い刺激になることも。そのあたりは難しいですね。

だから私は、受け取り方が変わってしまう言葉でアドバイスするのではなく、「どこをどう改善すれば良くなるか」を具体的に伝えたほうがいいと考えています。

ーー確かに「ちょっと考えれば~~」は、事象に対してでなく人格への指摘と受け取られやすいですね。

金山 そうなんです。「あなたは考えていない」というメッセージになっている。聞き手の気持ちになって言葉を選ぶ必要があります。弊社は学生向けキャリアアドバイスを生業としていますので、ネガティブなアドバイスにならないようすごく気をつけています

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エンジニアとは「課題解決をする人」

金山 私は基本的に「背中を押す」しかやらないようにしています。「こうすればいい」ではなく「それ、もっとやりなよ」というやり方です。エンジニアとして役に立ちそうなこと、コードを書くとか研究を頑張るとか、キャリアにつながりそうなところを応援します。

ーー業務を行なう上で大切にしている言葉はありますか?

金山 「情けは人の為ならず」ですね。社内システムを開発する際には、言われたことをやるだけではなく自分ごととしてシステム改善する意識を持っています。「自分が使うとしたら、どうだろう」と考えて相手に寄り添っていく。言われたことをやるだけだと、最終的に「ちょっと違う」となって工数が増えてしまったりするので。

ーーPodcast配信のモチベーションを保つ秘訣はありますか?

金山 聞いてくれる人がいるおかげですね。あとは、パーソナリティの方のおかげです。5つのチャンネルをやる中で、それぞれのチャンネルのパーソナリティがみな一生懸命で。信頼してくださっているから、応えられるところはあります。

ーーエンジニアの方々の、「経験や技術をどんどんシェアしていこう」という文化はすごいですよね。業界によっては隠したがるところもあると思いますから。

金山 昔から、エンジニアにはそういう文化があると思います。OSSの文化も影響しているかもしれないですね。そもそも、誰かが発信した情報のおかげで仕事できているというところがあります。本なりWebの情報なり、誰かが発信してくれた情報をもとに勉強し利用することができているので。

ーー他の業界もそのような文化があればと思いますが、なかなか全体が変わるのは難しいです。

金山 1人1人が変わっていくことで少しずつ変わっていくのかなと。人材業界もそうですが、業界構造全体をがらっと変えることは難しいので。不特定多数よりは、まず特定少数を育てようというつもりでやっています。

ーーご自身の成長のために意識されていることはありますか?

金山 誰かのために何かをすることを惜しまないということですね。人が困ってたら助ける、相談に乗る。会社の問題解決のためには、自分が技術レベルを上げないとクリアできないですし、その意味でも成長に繋がります。エンジニアとは、「プログラムを書く人」ではなく「課題解決をする人」だと思っています。課題解決をしよう、という意識で仕事するようにしています

何のために働くか、に目を向けてほしい

――ここからは、金山さんが働く上で大切にしていることについて、「事業内容」「仲間」「会社愛」「お金」「専門性向上」「働き方自由度」の6つの項目から合計20点になるよう、点数を振り分けていただきます。

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事業内容:15
専門性向上:1
仲間:1
お金:1
働き方自由度:1
会社愛:1

――稀に見る、突出したパラメータになりました(笑)。金山さんの思想が非常によくわかる配分だと思います。

金山 恐縮です(笑)。事業内容さえ共感できれば、他の部分は自然と「上げよう」と思うのかなと。仲間も当然大切にするし、会社愛も持てるし、専門性も向上させようと思える。大元の部分になる長期的なミッションを見つけて欲しいと、学生にも伝えています。それを見つけたら成長できるし楽しく勉強できると思います。

ーー金山さんは、いつミッションを見つけられたのですか?

金山 今年の6月からアウトプットするようになって、考え始めました。やはり人を成長させること、就活生が理想の仕事について働くことを支援することに対して、熱意を持てると気付きました。それは、弊社のミッションと合致します。そういう意味で僕はフリーランスには向いていなくて、フリーランスになるくらいなら会社を起こすことになるのかなと思いますね。

ーー最後に、キャリアに迷うエンジニアにメッセージをお願いします。

金山 エンジニアとして何を解決したいのか、どんな人を助けたいのかというところにもっとフォーカスしてほしいと思います。どうしても技術とか環境とかお金に目が行きがちですが、そこだけになってしまうと、表面上の条件に飛びついて、例えば先ほどのSESの話のような不幸なことも生まれてしまうのではないかと思います。

働くとは、そもそも何かのために動いた結果対価をもらうこと。なので、その「何のために」という部分に目を向けてほしいですね。

<了>

ライター:澤山大輔


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