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「『アウトプットは自己表現』多様な生き方を認めてくれる人と働きたい」VTRyo(株式会社マツリカ)~Forkwellエンジニア成分研究所

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自己表現できるところへ転職し、楽しい日々を送っています

――まず、マツリカさんの事業内容について伺えればと思います。

VTRyo 五反田にあるスタートアップで、主に営業支援ツールのSensesというプロダクトを作っている会社です。会社自体は2015年に設立してまして、僕は2018年5月に転職してきました。

営業さんを助けるプロダクトなので基本的にはtoBですが、最近はセールスパーソン個人に焦点を当てたAI-EmailアシスタントツールNotiaも弊社のエースエンジニアとエースセールスがタッグを組んで開発しています。Gmailと連携して、Slackでメールの開封通知や返信漏れ通知、日程自動調整機能や日程確定メール、メールの重要判定も通知してくれます。

Googleカレンダーとも連携させることができて、空いている日程候補をメールに貼り付けることもできます。

――拝見しました、これはかなり便利ですね!

VTRyo 今はベータ版が無料で、様々な企業様や個人の方700人くらい使ってくれています(1月上旬現在)。僕は開発には関わっていないのですが、エースのエンジニアとエースの営業が組んでものすごいスピードで開発しています。ユーザーの満足度も高いです。自分でも、使っていても便利ですね。Slackメインで業務をやっているので、たまにメール対応しないといけないときにはすごく便利です。

――こういうの、Googleが標準機能として実装してくれないかなと思っていたところでした(笑)。

VTRyo Gmailも重要判定自体はやっているんですが、営業パーソンへ特化したサービス設計はマツリカならではだと思います。開封通知があった段階で電話をかけるといったこともできますから。

――Ryoさんご自身はどのようなお仕事をされているのですか?

VTRyo 営業支援ツールSensesの、メインのプロダクト開発に関わっています。採用コンテンツの更新もやっていて、肩書きはWebエンジニアですが広報的な側面も持っています。「Webエンジニア、兼採用広報」みたいなイメージですね。AWSを使ったインフラをメインにしながら、バックエンド・フロントエンドにチケット単位で関わっています。

――こちらのブログ記事を拝見しましたが、前々職時代と比べるとだいぶ幸せになったのでは?

VTRyo 楽しいですね。やりたかったことをやるために転職したので、それが叶っているし、学びたいことを学ばせてもらっています。良い環境です。

――その大変だった頃について伺いたいと思うのですが、文京学院大学の心理学部を卒業された後、なぜSES企業を選ばれたのでしょうか?

VTRyo よくあるパターンで、エンジニアになりたかったわけではないんです。「ベンチャー企業は若い人も活躍できそうだし、良さそうだな」ぐらいの気持ちで。営業でもなんでもいいからベンチャーに入って楽しみたかった。そして、内定をもらった会社の中で、自分のカルチャーにフィットしそうな会社にしたら、そこがSESだったんです。

でもその時はSESという概念も知らなくて、実際に入ってみたら、派遣されるし、すごい過酷なところで働くしという状況で。辞めてからあそこがSES企業だったということが分かりました。自称ベンチャーみたいな感じですね。

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どこからが「今日」かわからなかったSES時代

――当時の辛かった1日の流れを教えていただければと。

VTRyo あえて一番つらかった所を抜き出せといわれたなら、自動化不可の長時間労働ですね。局所的にですが9:00~33:00という日が何度かありました。どこからが今日かわからない。

――壮絶ですね…

VTRyo 一応始業時間は9時なので、9時に起きていればいいんですが。末端だったのでメールチェックとかもなくて、とりあえずエクセルでお客さんが言った通りに修正し、それを4時間くらいやって、お昼をコンビニで買います。その後、修正したものについてお客さんと打ち合わせをしますが、未経験の新人な上に知らない現場にいきなり入れられているので、何の設計書か把握できてないんです。

それで、「どのサーバーから何が起きているか、手動で書き起こしてください」とか言われて。ログのパスなんて、ものすごい数があるんです。書き起こしても絶対見ないですし、僕もわかってない。でも「本当に合ってる?」「一応探しました」みたいなやり取りをずっとやっていて。残念なことにその作業が本当に必要なのか、不必要なのかも判断できませんでした。上司とされる人からの指示以外の行動は基本禁止なので、とにかく思考停止でやるしかありませんでした。

一応チームが組まれていたのでチームの仕事をするんですが、上司は手が回っていないのでその手伝いをしたり。ジョブ一覧があって、サーバーが定期的に実行するタスクの設計図があり、そのジョブを作る仕事があってそれもまた4時間くらいかかります。

その後、それが合っているかの確認にも4時間。結局21時ぐらいになるんですが、そこから進捗会議が始まります。

――21時から会議……。

VTRyo 2時間くらい会議をすると終電になるので、「じゃあみなさん、また作業してください」となって、また同じようなことが始まると。その頃はまだジョブの作成が手作業で行なわれていたので、すごい時間がかかるんですよね。しかも、それを自動化したら怒られるんです。

――時間単位でお金が発生するので、長引くほど上が儲かると。

VTRyo はい、僕を雇っている会社が儲かるわけです。僕らは4次請けで、時間が長い分には文句を言われないんですね。逆に、短いと指導が入ります。

――確かに、そのお仕事はエンジニアではないですね。

VTRyo そうですね、バイトでもできるので。そういう目の前の課題を解決するためにエンジニアって手を動かすんじゃないのかと、新人ながらモヤモヤしていました。

――そのような環境でも、わずかながらプラスになることもあるということでしたが。

VTRyo エンジニアになりたいという確固たる気持ちはなかった僕のような人でも、入り口に立たせてくれるという意味では良かったと思います。もちろん、あまりにコミュニケーションができない場合落とされますし、新しいことを覚え続けるのが苦手で続けられない人もいます。でも実戦経験を積むという目的を持っていたりするならSESもありだと思います。

――調べてみたところ、SESでも革新的な企業はあるようですね。

VTRyo 僕もその企業の社長さんと話したことがあるんですが、「自分の会社はSESだけど、そういう世界を変える」とおっしゃっていて、熱い人だなと思いました。ちゃんとキャリアを考慮したSES企業をやっている人もいるので、大きな声で「SESはダメ」というつもりはないです。

僕の友人でもSES出身ですごい人がいます。自分のキャリアの興味にあった案件にアサインされ、いろんな案件をやった結果ウデが伸びたということでした。そういうケースを目的として行くのはいいと思いますね。

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「自分の書いたものが、人を動かすんだ」とわかりました

――業務を行なう上で大事にしているモットーや好きな言葉はありますか?

VTRyo 楽しく働けるかが一番大事です。SES時代は仕事がとにかく退屈でした、エンジニアなのに手作業だし、自動化は認められていない場所もあった。

当時の常駐先の人に、ぽろっと言ってしまったことがあるんです。「こういう作業ってしんどいし楽しくないですね」って。そうしたら「仕事が楽しくないから楽しい仕事がしたい? そんなこと言って、君は社会人失格だね」と言われて。それ自体も衝撃的でひどく落ち込みましたが、言ってきた人はその日、お子さんの誕生日だったようなんです。カバンの中には、お子さんへのプレゼントが入っていました。でも、結局その日は僕たちと一緒に徹夜をして。

――私も一児の父ですが、その環境ではちょっと持たないですね…。

VTRyo そのとき「社会人ってつまんないんだな」と思ったんです。当時は社会人1年目でしたし、学生気分だと言われる自分が悪いと思ってました。でも、辞めてみたら世の中には楽しく働いている人がたくさんいて。自分の見てる世界が狭かっただけだと気づけました。

苦しい課題も、解決まで含めて楽しむこと。単純作業は嫌だけど、単純作業を解決している間は楽しめるかもしれませんよね。そういう意味で「楽しく働ける」場所に転職したいなと思いました。

――マツリカさんは、フルリモート・フルフレックスなんですね。

VTRyo 僕もさっき出社したんですけども(笑)、午前中は家事をやってました。フルリモートは「人にはそれぞれ最も生産性が高まる場所があるのだから、そこで仕事をしてもいいよ」、フルフレックスは「人にはそれぞれ最も生産性の高い時間があるのだから、その時間にやっていいよ」という意図がありますね。10時から15時で働く、という制約もないので、仕事は夜中にやってもいい。エンジニアだと寝静まった後にやっている人もいます。弊社はそういった自由な形で責任を取ることで、多様な働き方を認めてくれています。

――ご自身の成長のために日々行なっていることはありますか?

VTRyo 僕は記録魔で、あちこちに記録したりアウトプットしたりしています。日報にやったこと、気づいたこと、教えてもらったこと、考え方が変わったときのビフォーアフターを書いていて。何で変化したか、わからないのが嫌なんです。ブログとか登壇とかポッドキャスト、技術書を書いたりする中で、自分がどう変わっていっているかを後で見てわかるように観測していたい。

あとは、やったことをシェアするということですね。これは技術書の執筆が大きくて、不特定多数の人に見てもらう経験をすることができました。この取材もその一つだと思っています。記録したものは出さないと、自分にフィードバックが返ってこないので。

――半月の間に起きたのは、どのような変化ですか?

VTRyo 2018年10月4日の技術書典5で、共著で書いた本が600冊くらい売れたんです。売れる前と後で、フィードバックの量が変わりましたね。僕のパートを読んで「実際に行動しました」みたいなコメントが来て、「自分の書いたものが、人を動かすんだ」とわかって。

自分の行動が人に影響するという自覚が出て、「じゃあこういうアウトプットが参考になるんじゃないか」とか、ユーザーファーストで考えられるようになりました。大きな視野で見られるようになりましたね。

――まだ25歳とお若いですから、これからもっともっと伸びていかれますね。

VTRyo 今年やったことをちょうどブログでまとめていたんですけども。ブログは51記事、noteは8本、wantedlyはマツリカで書いたものが1位になりましたし、登壇は18回、イベント主催は5回、さらにPodcast…これだけアウトプットできたので、全部がフィードバックとして帰ってきます。2018年はこれだけやったので、てぃーびーさんから推薦を出していただけたのかなと。

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「こういう生き方もありだよ」って伝えたいです

――ここからは、VTRyoさんが働く上で大切にしていることについて、「事業内容」「仲間」「会社愛」「お金」「専門性向上」「働き方自由度」の6つの項目から合計20点になるよう、点数を振り分けていただきます。

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・専門性向上 4

これができないと食べられない、というのもあるんですが。技術的な向上をしていくと解決できる範囲や視野が広がると思っています。技術大好きでナンバーワンになるんだっていう感じではないけど、課題解決をたくさんしたいという意味では必要だと思っています。

・仲間 5

一番最初のSESの時は単独常駐だったので、仲間を選ぶのは大事だと実感しました。あと、こういう活動を「いいね、やっていこうよ」と言ってくれる、多様な生き方を認めてくれる人と働きたいですね。なので、仲間は一番大事にしています。

・お金 4

転職理由の半分くらいは、年収が関係しているので。自己投資にも、金銭的な余裕が必要だと思います。たとえば本を書くにも元手が必要なので。お金にこだわることには嫌なイメージもあるかもしれないですが、僕は大事だと思います。

・事業内容 1
・会社愛 1

1と言うと会社に失礼かもですが、一緒に働きたいと思った仲間がやってる事業だったら面白いし、仮に方向転換してもついていこうと思えます。働く人たちに惚れて会社に入っているので。内容がよくても、人がダメだったら入らない。会社愛も同じ意味で1ですね。会社が好きだから、ではなく、好きな人たちの会社なんだからいい、という感じで。

・働き方自由度 5

やっぱりパイプ椅子での作業は厳しいので(苦笑)。ちゃんと健康に暮らせる環境がいいです。あとは、時間に縛られたくないというのがあって。自分にとって良い環境を許してくれるところがいいなと。僕のやり方はバリバリコード書いたりするかっこいいエンジニア像、王道から外れる生き方をしていると思うので、「こういう生き方もありだよ」っていうのを伝えたいと思います。

――最後に、キャリアに迷っているエンジニアにメッセージをお願いします。

VTRyo 本業以外のアウトプットが本業につながっていっている僕としては「こういうのもアリなんだ」と言いたいです。

とりあえず、自分が楽しいと思うことをやってみてください。それが仮に本業のエンジニアリングに直接関係がなさそうなことでも、自分が楽しいと思ったことはどんどん取り組んでみると、きっと面白い方向へ転がっていきます。アウトプットが誰かの目に止まって、たくさんの人と関わるようになって、今よりもっとたくさんのチャンスに恵まれていくと思います。

また僕は、転職が自己実現に結びついたという経験をもとに、今いる職場がたのしくない・自己実現につながらないならば転職を勧めています。

自己実現できていないと感じているけど転職の仕方がわからなかったら、転職LTというイベントをやってるから来ていただければと思います。僕ら現役のエンジニアが主催して、実際に転職したエンジニアの方が登壇して喋るので。今年最後の回は180人くらい応募があり、100人くらいが参加してくれました。そういうところに出てきてくれれば相談に乗れるし、もっと強いエンジニアも相談に乗ってくれます。

そんな風に、プライベートながら楽しく働くハードルを下げるための活動をしていたりします。

もし、どうしようもなく迷って困ってしまっている人は、ぜひ僕のTwitterをフォローしてリプライをとばしてみてください。僕や僕の友人含め、きっと誰かが手を差し伸べてくれます。今の時代、悩んでいることはSNSで発信したほうが得です。みんなでつながって、楽しく生きましょう。

<了>

ライター:澤山大輔


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