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「謝罪ファースト。手を動かして、ダメだったら謝りましょう」田中孝明(クラスメソッド株式会社)~Forkwellエンジニア成分研究所

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日本に8社しかない「AWSプレミアコンサルティングパートナー」

――本欄、初出になります。まずクラスメソッドさんがどういう会社か、ご説明いただけますでしょうか。

田中 弊社はメイン事業として、AWSのプレミアコンサルティングパートナーとして「クラスメソッドメンバーズ」というAWS総合支援サービスをやっています。AWS構築のコンサルティングや請求代行、「クラスメソッドメンバーズ」に入られた方のサポートがメインですね。

あとはモバイルアプリのサービス開発ですね。iOSとAndroidアプリの開発、バックエンドのAPI開発もやっています。割と幅広くやりつつも、根幹にあるのはAWSのサービスをつなぎこむこと。プラットフォームとしてはAWSを中心に使っていくのがメインになっています。

――AWSのプレミアコンサルティングパートナーというのは全世界では67社、日本では8社しかないとか。

田中 そうですね。クラウドサービスってAWSのほかはMicrosoft Azure、Google Cloud Platformがメインとして挙がりますが、弊社はAWSの方に振り切って専門性を追求した集団です。

――AWSに振り切った経緯はどのあたりにあったんでしょうか?

田中 うちの社長が話していたのは、当時社内では誰も(AWSに特化したサービスは)やっていなかったそうなんですね。社長は行動力がある人で、「これからクラウドの時代が必ず来る」ということでAWSに手を出した経緯があります。

専門性を追求し「AWSはうちの会社に聞いてください」というぐらい特化したほうが、差別化できるだろうと。他のクラウドもやらなくはないんですけど、そこにリソースを割くよりは一つのクラウドサービスに対して専門的な知識と経験のある組織としてやっていこうという判断ですね。

――今「AWS 運用」で検索したら上位に貴社運営のページが出て来ました。「AWS 運用」ってかなり強い、成約が見込まれるワードですよね。

田中 そうですね。弊社は「Developpers IO」というブログを運営していまして、全社員がブロガーとして、日々アウトプットしています。

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いろいろな場所に住んだけど、福岡が一番です

――田中さんはどんなお仕事をされているんですか?

田中 所属はモバイルアプリサービス部で、主にiOS、Androidのモバイルアプリとサーバーサイドの開発をする部門です。僕が今やっているのはサーバーレス開発部のプロジェクトのメンバーとしてサーバーサイドの開発に関わっています。

AWS IoTというサービスを使って、センサーデバイスから送られてくる大量の情報をAWSに集計し、集計された情報から特定のアクションを起こすことをやっています。クラウド側に上がってきたデータを使い、例えば解析に使ったりとか、センサーデバイスで異常を検知した際に、モバイルアプリに「異常がありましたよ」とアラートする仕組みを構築する仕事をしています。

――1社目はセールスのお仕事をされていたんですよね?

田中 そうですね。最初はエンジニアの仕事ではなかったんですよね。

――岡山科学技術専門学校を卒業されたとのことですが、「エンジニア向きじゃない」と思って、別の仕事に就かれたそうですね。

田中 そうですね。2006年03月ぐらいまで、電器屋のセールスをやっていました。オーディオビジュアルの販売員です。どこかのメーカーのコンポがこれから売れ筋になるからと言って販売をやったりとか。

――販売員は相当な商品知識が求められますし、身体的な負担も高そうな仕事ですね。

田中 そうですね。ただ、自分がいたところは岡山の片田舎にあるところだったので、それほど忙しくはなかったですね。

――そのお仕事を2006年の3月でお辞めになり、同年4月から岡山のソフトウェア会社でエンジニアに転職されたんですね。

田中 そうですね、「半エンジニア」みたいな形で。派遣業務もやっている会社だったので、名古屋に行ったりとか、1年に1回異動があってプロジェクトを転々としていました。

――その後、株式会社バーズコミュニケーションという会社に移られたと。

田中 バーズは当時東広島と東京の方に支社があり、東広島に3ヶ月ほど滞在したあと、東京に異動になりました。

――そこから様々な会社を経て、2017年10月から福岡にいるんですね。

田中 そうですね。クラスメソッド に入社したのは2015年の10月です。前職が福岡勤務だったのですが、当時は福岡にオフィスがなかったため、2年間ぐらい東京で仕事をしていました。その後「福岡にオフィスができるかもしれない」という話が上がって来たので、手を挙げて2017年10月から福岡転勤になりました。

――いろいろな場所にお住まいになった中で、どこが一番住みやすかったですか?

田中 やはり福岡ですね。食べ物が美味しいのと、都市が機能的でコンパクトにまとまっていて、利便性が高いです。エンジニアの方も多いですね。民間と政治が近く、これから成長しそうです。そういう面白さがあるので、戻って来ました。

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東京で出会った恩師に、スキルを学ぶ

――エンジニアとしてのスキルは、どの会社で磨かれたんですか?

田中 バーズコミュニケーション時代ですね。東京支社に、macOSのアプリ開発者でベテランの人がいたんです。当時、バーズの東京オフィスってその方しかいなくて。「技術の継承ができない」ということで転勤しました。当時はiPhone 4が出たぐらいで、iOSアプリが爆発的に注目を浴びていた時期です。その人からエンジニアとしての立ち居振る舞い、勘所、技術、手法を学びましたね。

――教わった中で一番印象に残っていることは何ですか?

田中 macOSの初期の頃の挙動と格闘した話ですね。アプリを作りながらぶつかり、どう解決してきたのかというお話を聞きました。昔の技術と言ったら良いんですかね、歴史にすごく詳しい方で。数ある話の中でパッと思い出すのはこれです。

――東京オフィスに2人でいらっしゃったのが何年ぐらいのことなんですか?

田中 3年ぐらいですね。2014年の3月ぐらいまでです。

――そこで得たものは大きかったのではないでしょうか。

田中 すごく大きかったですね。一緒に仕事をすることで手に入れた人とのつながりや技術が、今の糧になっています。

――「恩師」と呼べる方なんて、なかなか巡り会えないですね。

田中 そうですね。その人に出会わなかったら、同じ業界では続けてはいなかっただろうなと思いますね。

――今のお仕事で、教えが役立ってるなと感じることはありますか?

田中 不具合が起きたときどこから疑えば良いか、という勘所ですね、不具合が出た時のレイヤー分けを教えられました。「どこから疑えば良いか」「どこから問題を潰せば原因にたどり着けるか」というトラブルシューティングの経験は、活きていると思います。あとは、文献の調べ方。わからなかったらどこから見れば良いのか、ですね。

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「とりあえずやって、ダメだったら謝ろう」

――業務を行なう上で大事にしているモットーや好きな言葉があれば教えてください。

田中 「謝罪ファースト」ですね。誰かに伺いを立てたり根回しするなら「とりあえずやって、結果を見て、ダメだった時に謝ったほうがいい」と。許可を取るのにコストをかけるより、手を動かす方にコストをかけようというものですね。

――田中さんが謝罪ファーストで取り組んだことは、どんなものがありますか?

田中 自分が入社してから3ヶ月後ぐらい、まだ福岡に移転するという話がなかったころです。前職の方に「イベントに登壇したい」という話をいただき、許可を得ずに動いたんです。

――許可を得ずにイベント登壇をやったと(笑)。どういう反応でしたか?

田中 「面白いんじゃない?」と言われました。

――それがきっかけで福岡オフィスができるようになった部分もあるんですか?

田中 結果としてはそうですね。イベントの第2回ぐらいで、来ていただいた方が今福岡オフィスに勤務しています。イベントきっかけで人が増えるようになった部分はあるかなと。弊社の場合、いい人が集まりそうな場所にはオフィスを立てる場合があります。

――ご自身の成長のために日々行なっていることがあれば教えてください。

田中 まずブログを書くことですかね。私自身も、こうした記事を書いています。

――記事中にある「ランク」というのはどういう意味なんですか?

田中 これは今まで書いて来た本数、シェアされた数をベースにレベルを算出した数字ですね。私は相当低いほうですね。ブログを書くこともそうですが、勉強会で発表するために資料を作るというのは自分が今までやって来たことをまとめる作業にもなります。

――このブログは業務の一環なんですか? それとも「場所は用意するけど書く書かないは自由」という感じなんですか?

田中 両方ですね。書かなくても罰則はないですけど、ブログを書くことは業務の一環として認められています。

――今まで書かれた記事で反応が良かったものは、どの記事ですか?

田中 GMOペパボさんにインタビューに行った際のものですね。これは、一番反応が良かったです

――これはどういう内容だったんですか?

田中 うちの会社のブログのシリーズで「突撃!隣のDevOps」というシリーズがありまして、その会社さんが取り組まれているDevOpsについてまとめて記事化するものです。

――相当文字数が多いですね。制作にはどのくらいかかりましたか?

田中 記事自体は半日ぐらいで、あとはレビューを元に推敲していきましたね。ブログをきっかけにお客さんからの問い合わせがあったりするので。ブログで自分ができたところを出すと、評価に繋がったりはします。

まずは、興味を持つことが大事だと思います

――ここからは、田中さんが働く上で大切にしていることについて、「事業内容」「仲間」「会社愛」「お金」「専門性向上」「働き方自由度」の6つの項目から合計20点になるよう、点数を振り分けていただきます。

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・働き方自由度 5

オフィスが点在していて、リモートワークを積極的に取り入れているということもあり、働く場所に重きは置いていません。ブログには「リモートワークシリーズ」という記事があって、「いろんな場所でリモートワークをしてみる」というどこまで許されるのかみたいなチキンレースをしてるんですけど(笑)、ZoomやSlackを駆使して場所や時間に左右されずコントロールしやすい環境にあるのは大きいなと思います。

・事業内容 4

うちの社長が割といろんなものに飛びつくので。AWS事業もそうですし、1年前には「Alexa」という事業が日本語対応になるところでいち早く踏み切りました。AmazonGoの実店舗版を、自分たちの持っている技術で作ってみようという実験もやりました。社長が「こういうことをやろう」と言った時に、専門性ある人たちがそろってプロダクトを作り上げていく。そういう動きができる組織って面白いな、と思います。

・会社愛 3

事業内容と重複するんですけど、面白い組織にいると思います。単純に会社のビジョンに共感できるところがあるので、3をつけさせていただきました。

・仲間 2

業界全体に言えることなんですけど、フレキシブルに転職してもその後も繋がったりしているので。会社の仲間に関してはプロジェクトが別という部分もありますが、現時点で深い関わりがなくてもその後に技術的なところで繋がったりするので。あまり重要視はしていないですね。

・お金 3

もらえるのであればいっぱいもらいたいですけど(笑)。事業との兼ね合いもありますし、本当にお金だけで働きたいのであればフリーランスという道もあります。今は、生きていくだけのお金があれば良いので3ですね。

・専門性向上 3

弊社は、ブログでアウトプットすることを推奨しています。専門性を向上させていくこともできるし、幅広く展開することもできる。もともと僕はiOSエンジニアとして入ったんですけど、今はAWSのエンジニアもやってます。やりたいことに対して会社がバックアップしてくれるので、かなり助かっていますね。

――キャリアに迷うエンジニアに向けてメッセージをいただけますでしょうか?

キャリアに悩んでいる人はまず興味を持つということと、興味を持ったことをアウトプットし続けることですかね。自分の好きなことを見つけてやり続けたほうがいいと思います。アウトプットを見て「面白いな」と思った誰かに拾ってもらえる可能性も高まりますから。

<了>

ライター:澤山大輔


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