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「初期衝動に対して、素直にリアクションする自分でありたい」河野大地(株式会社SPLYZA)〜Forkwellエンジニア成分研究所

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Twitterがきっかけで、SPLYZAへ。

――まずは、最近ご就職されたSPLYZAさんの事業内容を教えていただければと思います。

河野 主にスポーツの映像分析アプリSPLYZA Teamsを開発しています。動画の取り込み・編集から、局面ごとの映像のタグ付け、クローズドSNSでのディスカッションといった一連の作業をサポートするツールです。アプリ・ブラウザでどこでもデータにアクセスできます。

以前よりSPORTSCODE等の海外メーカーのソリューションはあったのですが、これは国内産で、なおかつアマチュア向けというコンセプトで作っています。今年ぐらいからほとんどサッカー向けに舵を切りました。

映像分析は監督やコーチだけでやると膨大な時間がかかりますし、そもそも年代が上だとITリテラシーがない方も多く作業自体が厳しい。そこで高校や大学、アマチュアスポーツといったカテゴリを主な対象として、デジタル慣れした若い選手20~30人で局面の映像分析を行なうスタイルを提案しています。現場からは「おとなしい選手が発言するようになった」それによって「チーム全体の底上げにもなった」という声を聞きます。

――アプリ自体はいつから開発されているのですか?

河野 プロトタイプだと4年前くらいからです。最初はゴルフのスイングのフォーム分析のようなものを売り切りで作っていたのですが、正規モデルになりませんでした。その後完全にコンセプトを変えて現在のSPLYZA Teamsの元となるものを作り、今の形になってまだ1年ぐらいです。3回ぐらい大きくUIも刷新して最近ようやく落ち着きました。現在100顧客ぐらいで、今後は1,000顧客くらいを目指していきたいです。

――そもそもSPLYZAさんに転職されたきっかけはなんだったのですか?

河野 東京から浜松に来て、家庭を持ち簡単に転職できない状況の中だったのですが、趣味でツイッターでサッカーの映像分析を発信するようになったんです(参考:河野さんのTwitterアカウント https://twitter.com/giubilomario)。するといろんなサッカー関係者の方など、各方面から連絡が来るような状況になって。

そんな中で東京時代のWeb制作会社の同僚であり、現インフォバーンの西原さんが、SPLYZAと繋いでくれて。私はWebの業界に10年いてデザインもやっているので、「サッカー向けのフィルタをかけて、社内でデプロイしたい」と社長に直接話したら、ぜひ来てくださいということになりました。

SPLYZAは、フリーランスのような雰囲気の会社です。職場の開発メンバーは5人いてうち4人が外国人で、それぞれベトナム、ホンジュラス、イギリス、アメリカ出身です。職場のコミュニケーションはほぼ全て英語です。

――浜松はそうした国際的な企業が多いのでしょうか?

河野 そうですね、浜松市がベンチャー企業への支援が盛んなことも関係していると思います。立ち上げ時の支援や「イノベーションラボ」という建物を最初の何年か安く借りられる等の制度があり、起業家が活動しやすい環境です。名古屋も東京も新幹線ですぐ出られて、地方に住みながらコアな人たちと仕事ができるという意味でも、良い土地だと思います。

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SPLYZA社での河野氏のデスク。大好きなサッカーに囲まれて日々の業務を行なっている。

完全にノープランで東京から浜松へ

――河野さんのこれまでのご経歴について伺えればと思います。

河野 デジタルハリウッド福岡校を卒業して、2007年~2010年の間、東京の株式会社キノトロープにいました。仕事としてはWeb制作、CMSのCSまわり等をやっていました。そこに集まっていた人たちは有名企業でバリバリ働いていたり、起業して社長になっていたりと、今考えると優秀な方が多かったと思います。EC事業部に3年目に配属になって、そこでモノを売ることの難しさを学びましたね。

その後は採算が取れなくて難しくなって、そこで東京でやることはやったかなと思って、今の妻が東京から浜松に帰ったタイミングで、仕事をやめて、妻を追いかけて浜松に行きました。といえば聞こえはいいですが、「結婚をするために妻を追っかけて行った」というのが理由です(笑)。なんとかなるだろうと思って次の仕事も決めずに行きましたが、そんなに簡単ではありませんでしたね(苦笑)。

結局、当時住んでいた近くの会社である株式会社クロスデバイスに、Web制作事業があるということで、拾ってもらいました。仕事はWeb制作、フロントエンドまわりが中心です。コンペ系のフェーズとしては初期提案、ヒアリングから使用策定、プレゼンまで請け負っていました。最初の3年くらいは大きいCMSの開発サポート周りをやっていて、直近3年くらいは、Web制作に加えてVR系の事業もやっていました。

静岡に来た頃は、静岡独特の職域を理解できていませんでしたね。東京だと基本が分業で、制作、Web、CSといった部門にそれぞれ人がいる。でも静岡だと全部自分でやらないといけない。クオリティコントロールが難しくて、慣れるのに苦労しました。でもお陰で鍛えられましたね。そういう意味でも、起業したい人には良い環境なのかもしれないです。

――サッカーとはどのような関わり方をされてきたのでしょうか?

河野 小学校、中学校でプレーしていました。高校は美術部です。元々が文系のマインドで、東京にいたときは油絵を描いて個展を開いたりもしていました。大学ではバスケサークル、社会人ではフットサルの社会人リーグという感じで、色んなスポーツをしました。ただ、サッカーも継続的に見てはいましたよ。

戦術眼的な部分では、WCCFというサッカーゲームを10年以上やっていました。AIとかシミュレーションのゲームなんですけど、そこでフォーメーションや短時間でどういう戦術を実行するかをずっと考えていました。そこから得たものは大きかったですね。実はSPLYZAでも、eスポーツで利用してもらう取り組みをやっているところです。ゲームをされている方はデジタルのリテラシーが高いこともありますし、eスポーツ方面は今後広がっていくと思います。

――業務を行なう上で大事にしているモットーや好きな言葉はありますか?

河野 モットーというわけではないですが、休日や家に帰ってからの時間に「仕事のメールを見るのが嫌だな」と思ったら終わりだと思っています。そこでおしりが重くなってしまってはいけない。初期衝動、ファーストインプレッションに対して即座にリアクションしたいです。

僕がそういうリアクションのはっきりしたサッカーが好きだというのもあります(笑)。一個目的を決めたらドンと進めるような仕事環境や仕事内容を常に作っておきたいですし、そういうモチベーションは仕事のクオリティにも出ると思います。

実際、最近は自分の趣味と仕事を両立できてきているかなと思います。SNSを利用して自分主導で仕事のチャンスを作ったり、自分から働きかけてSPLYZAのお客さんになってもらったり。最近行なっているサッカー雑誌への記事の寄稿も、すぐにやろうと思えるものは受けるようにしています。

自分の好きなことで貢献して、家族や子どもにも、楽しそうに仕事している背中を見せたいです。5才の長女からパパの夢は?と聞かれて、何も答えられない自分は嫌だと思って。これも転職を決断した理由のひとつですね。

――ご自身の成長のために日々行なっていることはありますか?

河野 情報収集、インプットとアウトプットを欠かさない。いろんなサイトや本を見たり、いろんな人と話したりしてインプットする、そしてそれを言語化して、人に伝える、文章に起こすという作業ですね。これをコンスタントにやらないと自分が古くなってしまう。さきほどの雑誌の話もそうですし、SNSの情報発信もそうです。独りよがりにならないように、皆さんがどういう情報を求めているのかを考えて、自分の中でフィルタをかけて出せるようにするということを意識しています。

あと、DM等で細かい質問が来たりするんですが、間違いなく返すようにしてもいますね。細かいところを拾っていかないと見えないこともあって自分にとっての発見になるし、質問してくれる人にとってのブレイクスルーにも繋がりますからね。

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転職直後、スポーツテックに関するセミナーに登壇し熱弁を振るう河野氏。

開拓精神を持っているのが、自分の強み

――ここからは、河野さんが働く上で大切にしていることについて、「事業内容」「仲間」「会社愛」「お金」「専門性向上」「働き方自由度」の6つの項目から合計20点になるよう、点数を振り分けていただきます。

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専門性向上:3

これから働くスポーツサイエンスの業界は完全に新しい分野なのですが、今までやってきた内容の精度をあげていくという作業も必要で、どちらも大事にしていきたいと思っています。

仲間:2

開発部隊がほとんど外国人で、フリーランスの集まりみたいな雰囲気の会社です。仲良くはやれているのですが、それよりも「それぞれが責任感を持って、能力を最大限に出す」ということが大切だと思っています。

お金:3

もちろん大事ですが、あくまで最低限度の暮らしができれば。家内との二馬力でやっているので、途切れなく供給できればいいかなと思っています。転職にあたって手取りは増えていますし、ネガティブな要素はないです。

事業内容:5

転職をしたきっかけです。スポーツサイエンスという新しい分野で挑戦を続けられる環境が自分にとっては大事でした。答えのない分野ですが、そこをどう個人の能力とチームプレイで突破するかが至上命題で、逆にやりがいになっていますね。

常に開拓精神を持ち、トライできるところはしっかりトライするというのは、自分の持ち味でもあります。いろいろ失敗もすると思いますけど、全てを糧にして前進したいです。代表がそういうマインドの持ち主なので、ついていきたいと思います。

働き方自由度:5

自分だけの生活ではなく、あくまで家族ありきなので。どうしても子どもの都合で家で作業をしなくてはいけない、ということもあります。古い企業だと「職場にいてこそ社会人」みたいなところがありますが、今の職場は家庭を持っている方も多く理解があって、心強いです。

会社愛:2

自分のネームバリューで仕事ができるようになりたいですし、ゆくゆくは独立したいと思っています。もちろん転職したばかりですので、まだまだ先にはなると思います。そのためにも何でもできるフリーランスのような状態でいたいのですが、今の会社はそのあたりとても寛容です。会社からの評価ありきではなく社会から評価されるように、組織に依存せずに自分の能力を発揮できるようになりたいと思います。

「質問する前に動け」

――転職を志す方に向けてメッセージをお願いします。

河野 転職の相談をDMでよくもらうのですが、「質問する前に動け」と返しています。質問した時点で余計なステップが1個増えてしまっているので。

自分の働きたいところにアポ無しで突っ込んでいくとか、後先考えずに動くことで私はうまくいったと思うので。まず顔を出す、発信するという行動をとることで、良い心意気だと認めてくれる方は多いです。ITの時代ですが、感情に素直になって自分を売り込む、バイアスを掛けずに自分の発信したい情報を発信する、やりたいことをやることが大事。駄目なら駄目でいい、そこで仕事ができなくても立ち上げればいい。いくらでも調べられるしアドバイスをしてくれる方もいます。

学生に関しては、スポーツの肩書ではない、スポーツ以外の畑のプロフェッショナルの方が需要があるので、スポーツ業界でなくてもまずは何か経験してみるということが大事だと思います。いきなりサッカーでご飯食べようとしなくてもいい。社会人に関しては先ほどの通り、考える前に動け、ですね。

<了>

ライター:澤山大輔


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