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「仕事のヒントは、ダム巡りから学びました」べこ(べころもち工房)~Forkwellエンジニア成分研究所

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デザインをちゃんと勉強したくて、働きながら芸術大学に

――現在の業務内容を教えてください。

べこ 今は、フリーランスです。キャラクター制作でイラストを書いたり、ウェブではコーディングをメインにしています。イラストが仕事になったのは、2018年4月にフリーランスになってからですね。

経歴としては、高専から印刷会社のDTPオペレーターに就職し、3年ほど働きました。その後、「デザインの勉強をちゃんとしたい」と思って京都造形芸術大学の通信で情報デザイン学部に入学しました。

情報デザインといっても、単なるスキルだけでなく考え方の部分ですね。デザインを通じて何をどう伝えるか、重点的に学びました。WEBページを作る課題のほか、絵を描いてみたり、本を製本したり、情報の編集についても学びました。

今は群馬に住んでいるんですが、京都造形芸術大は東京にも校舎があって月に1、2回はそこで授業を受けていました。

――具体的には、どんなことを勉強されたんですか?

べこ グラフィックデザインでは、例えば書体の使い方ですね。タイポグラフィを学んだり、一般的なグラフィックデザインもやりました。

一番大変だったのは、「展覧会を作る」という課題です。企画から始まり、面白いものをどう出していくか考えました。実際に開催されない架空の展覧会ではあるのですが、実際にやれるレベルまで持っていくことが求められました。本格的な資料を作らないと、合格をもらえないんです。

――例えば、会場や協賛企業さんに向けた資料を作ったり。

べこ そうです。その水準を求められましたね。告知ポスターを作って、見た人たちがどうやったら展覧会に行きたくなるか、いろいろ試行錯誤しました。

大学には4年通いました。実際に校舎に行くのは月に1、2回です。それとは別に、自宅学習の課題があり、仕事が終わってから課題を進めて送るのを4年間続けました。なかなか大変でしたね。

――当時は、仕事もハードだったのでは。

べこ そうですね、残業が多くて。お客様のOKがもらえないとデータを印刷に回せないので。印刷データにして、帰宅すると24時近くなることもありました。

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「Ruby超入門」の依頼は、嬉しかったです

――フリーランスになられたきっかけは、どのあたりなんですか?

べこ 小さい頃、親が共働きで。母がいないのがすごく寂しくて。それもあって、「家でできる仕事をしたい」と前から考えていたんです。ただ、きちんと社会人をやらないとフリーランスではやっていけないんじゃないかと思っていたので、高専を卒業してから10年くらいは会社で勤めて、30になったところでフリーランスをやっていこうと思っていました。

――それで、結婚されてお子さんがお生まれになったタイミングでフリーランスになられたと。フリーになって、生活は変わりましたか?

べこ まるきり変わりましたね。決まった時間に会社に行くことが無いので、自分でスケジュールを立て、自分で何もかも決めているところは大きな違いですね。

――最近お出しになった「Ruby超入門」のイラストはどのような形で依頼がきたんですか?

べこ 2017年10月の「技術書典3」で、Vue.jsを使った同人誌を作った経緯のブログを書いたんですね。それを見た著者の五十嵐さんが「キャラクターを使ったイラストをつけたい」と以前から思っていたそうで、Ruby超入門の編集担当の方からHPのお問い合わせフォームに依頼を頂きました。

――こういうがっつりした仕事って、何回目ぐらいだったんですか?

べこ 実は、初めての仕事でした。依頼を見たときはびっくりしましたね。プログラミングの知識も得つつイラストをするのに憧れていたので、すごく嬉しかったです。

――精密に描かれていますね。イラストはあくまで読者の理解をサポートする存在であり、書籍デザインから浮かないようにすることを意識されているように思います。

べこ そこは意識していました、イラストが目立ってもしょうがないので。大変だったこととしては、全てSlack上でテキストでのやりとりだったことですね。意図がわからなかったところは、細かくやり取りしました。

逆に、嬉しかったのは著者の方から「そうそう、こういうのが欲しかったんだ」と言われたことですね。自分はそこまでプログラミングをできるわけではないので。原稿を読みながら、理解できたことをイラストに落とし込み、それが評価されたのは嬉しかったです。

――出版で形になったときに、どう思われましたか?

べこ とても嬉しかったです。本屋さんを見て回りました。群馬だったので初日にはまだ配本されてなかったんですが(笑)、一週間後ぐらいに3箇所ぐらい本屋さんを見て回ったら置いてあって。

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きっかけは、ダムめぐりにありました

――今後イラストレーター・フロントエンドエンジニアとして、こうなっていきたいというビジョンはありますか?

べこ 今は子育てがメインなので、もう少し仕事の割合を増やしたいですね。あと、とにかくキャラクターが好きなので。ただのキャラクター好きでなく専門職としてやっていきたいので、研究は続けています。

例えばテレビを見ていて「このキャラクターカワイイな」と思ったら、まずググってどういう人が描いているのか調べ、Scrapboxなどのツールに保存してストックしたり。

――最近「このキャラクターいいな」と思ったものはありますか?

べこ Vogueというファッション誌に載っている「しいたけ占い」ですね。キャラクターはかわいいけど子供っぽさは強くなくて、ファッション誌に合っていると思います。キュートなんだけど、ワンポイントな感じで愛らしい。気になって見ていました。

――これはすごいですね。キャラクターのうち、半分は一緒じゃないですか。ヘタの部分だけで違いを表現しているわけですね。

べこ みんなドット柄で統一感を出しつつ、差別化もされている。すごいと思ってます。

――さそり座がちょっとカニに見えると思ったら、うまくカニ座と書き分けているんですね。双子座がこれかよ、という感じはなきにしもあらずですが(笑)。

べこ 実は私、双子座なんです(笑)。こういうのを見ると、12星座のうち双子座ってどういう形をしているんだろうという気になります。

――乙女座もおさげで表現するの、すごいですね。

べこ かわいいですよね。

――お仕事に関して「あたたかくてやさしい、しなやかなコミュニケーションを」をモットーとしていると伺っているんですけど、それはどういうところなんですか?

べこ きっかけは、ダムなんです(笑)。放流するときの水がすごいんですけど、ダムのある環境からインスピレーションを受けた言葉で、「あたたかく」は陽の光で赤い色をイメージ、「やさしい」は森の包み込むような緑のイメージ、「しなやか」はいろんな形に変わる水のイメージです。

情報デザインを学んだ結果、どう情報を伝えていくか。ダム巡りを通して得た3つの要素を含めて、壮大なテーマになってしまうんですがそういうところでモットーにしています。

――アースダムというものがあるんですね。

べこ 皆さんはダムと聞くと、コンクリートで固めた大きなダムを想像されると思うんです。それよりももっと小さく、土で固めたものです。土だけだと危ないので、中がコンクリートで補強されているんですけど、素朴な感じがアースダムにはあります。そこが魅力だと思います。

――べこさんが特に推しているダムはどこですか?

べこ 間瀬ダムという埼玉の北のほうにあるダムですね。散歩もできて、形も可愛いんです。ちょっと古いダムで、昭和の初めにできたダムらしくて。上の半円にくりぬかれている部分が橋みたいに渡れるんですけど、桜の季節になると、すごく綺麗に見えるんです。春の季節にいきたくなるダムですね。

キャリアの違和感は、放置すべきではないです

――ここからは、べこさんが働く上で大切にしていることについて、「事業内容」「仲間」「会社愛」「お金」「専門性向上」「働き方自由度」の6つの項目から合計20点になるよう、点数を振り分けていただきます。

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・専門性向上:5

優先すべきことですね。キャラクターであったり、フロントエンドだったり。今後はJavaScriptを伸ばしていきたいなと思っています。

・仲間:3

今は1人でやっていますけど、クライアントさんも仲間になる可能性があるので、ちょうど中間ぐらいの3にしました。

――フリーランスになられて「仲間って大事だな」って思うことってありました?

ありますね。一緒に仕事している仲間とちょっと違うんですけど、別業種の人たちと悩みを共有していることがあります。そんな形の仲間は、いた方が良いなと思います。

・お金:4

生活していくにあたっては必要なんですけど、そこを最優先にしてしまうと何もかも見えなくなってしまいそうなので。ちょっと下げて4にしました。

・事業内容:2

内容というよりは、自分の技術をどうやって使えるかが自分の中では大きいかなというので2にしています。

・働き方自由度:5

フリーランスを選んだからには、自由に働きたいというのが大きいですね。

・会社愛:1

あまり強くないですね。申し訳ない程度に1です。

――最後に、キャリアに迷っている方に向けてメッセージをお願いします。

べこ あまり自分は偉そうなことが言えないんですけど、自分のキャリアに少しでも疑問に思ったら、悩み抜いて、考え抜いて、周りの人に相談したほうがいいと思います。その悩みは、ないがしろにしない方が良いと思っています。

――大事ですよね。違和感があったらキャリアに対するヒントというか何かのサインかもしれないと思うのは大事ですよね。

べこ 何かのきっかけになりそうな気がします。

<了>

ライター:澤山大輔


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