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「楽しいって思うことに飛び込めば、エンジニアとして強くなれると思います」zuckey(株式会社ツクルバ)~Forkwellエンジニア成分研究所

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実空間と情報空間を横断する「場」をつくる、ツクルバ

――貴社ツクルバ社は本連載で初登場となります、まずは会社の説明からお願いできますでしょうか。

zuckey ツクルバは、2011年に創業して以来「場づくり」をテーマに多角的に事業を展開している会社です。現在は、注力事業の「cowcamo(カウカモ)」が急成長中ですが、その他にもシェアードワークプレイス「co-ba(コーバ)」、スタートアップ向けのオフィス提供サービス「HEYSHA(ヘイシャ)」、あとは空間プロデュース、空間設計事業も行っています。

建築・不動産・テクノロジーの融合によって、新たなスタンダードとなる「場」を発明するというテーマを掲げていて、各領域のプロフェッショナルが協業しながら事業をつくり、育てています。そのため、展開しているサービスの多くが、リアルとバーチャルを横断するような形になっています。

――zuckeyさんは、その中でどんなお仕事をされているのでしょうか?

zuckey ソフトエンジニアとして、基本的には「カウカモ」に関連する各プロダクトのバックエンドを担当しています。ただ、ツクルバでは組織構造上、エンジニアは一つの事業に紐づくのではなく、独立したチームとして位置づけられています。「tsukuruba studios」というクリエイターチームの一員として、全社のあらゆる事業に横串で、技術の専門家として関わるというようなイメージでやっています。

――会社に関わっているものであれば全部見るという感じですか?

zuckey そうですね。ただ、現在は注力事業として「カウカモ」のグロースに力を入れており、「カウカモ」に関連することがメインになっています。

――それ以外だとどういう関わり方があるんですか?

zuckey 「co-ba」は全国に24箇所展開しているシェアードワークプレイスなのですが、そのWeb会員同士を繋げるイベントをしたり、co-baネットワークという会員制サービスの管理だったり。昨年新規事業として立ち上げた「HEYSHA」(中規模オフィスに入居を希望するスタートアップに対して、最短4ヶ月からご利用できるワークスペースを提供するサービス)のリリース時には、サービスのWebページ作成なども担当しました。

「リアルとネットをITで繋げる」って、結構難しいところがあって。実際、不動産はレガシーな部分も残る業界なので、そういった古い慣行の中で属人的に行われていることを、徹底的にシステム化していくことに大きな伸び代がある。一筋縄にはいきませんが、その難しさも含めて面白さを感じ、入社しました。

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イテレーションサイクルの早さに魅力を感じ、IT業界へ

――京都大学では、どんなことを学ばれていたんですか?

zuckey 大学はITではなく化学を専攻していました。「高分子物性」といってゲルとかゴムなどを利用し、その物性を測ったりその挙動について考察したりする研究をしていました。

化学を勉強したかったのは、F1が好きだったのでタイヤを作りたいなと思っていたからです。ただ、入ったものの化学ってイテレーションのサイクルが長いんですね。一つのものに関わり始めたら長くて3年間研究したり。それで、必ずモノができるわけでもないと聞きました。

高分子物性の分野でもシミュレーションをする研究方法があって、そこで少しだけITをかじっていたんです。そこで、そのイテレーションのスパンの早さに面白みを感じて、「これからはITかな」と思ってそちらに進んだという経緯です。

――それで、新卒の最初は富士通さんに入られたんですね。

zuckey そうですね。当時はメガベンチャーなども人気ではあったんですけど。専門として勉強してきたわけではなかったので、戦えないなと思って。後から考えると「新卒カードがあったので、意外と行けたかな」とも思うんですが、当時はそう思ったんですね。

――Wantedlyで拝見しましたが、「当初から強い思いがあった、プログラマへの職種転換」という希望があったそうですね。

zuckey そうですね。先程も申し上げたとおりプログラムを書いて、試行の結果がすぐ出て、フィードバックがすぐくるというイテレーションサイクルに面白みを感じていました。僕の中で、富士通のイメージは新卒入社後ある程度現場で書くなりテストするなりして、作る部分を楽しめるんじゃないかと思っていたんです。けど、そこは僕の就活時の調査が甘いせいで、実際はそういうこともなかったです。

富士通が提供するパブリッククラウドサービスがあるんですが、そちらのプロダクトオーナーチームに配属され、開発組織からは外れてしまいました。当時は営業支援だったり、クラウドを導入するSEに技術的サポートをしたり、サービスデスクの質を上げるために管理したり。開発、運用、SEと営業の間をとりもつ立場だったため、「プログラマーになりたい」という思いとは違ってきたので1年4ヶ月ほどで退社を決めました。

もちろんいろいろな勉強をさせていただいたことは感謝しています。エンジニアのことを何もわからない自分でしたが、会社の補助もあっていろいろな資格も取れ、クライアントワークもさせていただいたので幅広い知識が身につきました。パブリッククラウドというものを概観できたので、2社目と3社目でその知識はかなり役立ちましたね。

――その後、富士通を辞められて入った株式会社ヤプリさんではどういうお仕事をされていたんですか?

zuckey ほぼ未経験ながら、JavaScriptとPHPでフロントエンドもバックエンドも担当していました。当初、開発チームは人数が少なくて、僕含めて5人ぐらいだったんですよね。全員でも、20数名でした。

最も印象に残っているのは、あるサービスのリプレイスですね。訳も分からず、とにかくがむしゃらにやりました。あまり質の高いものだった自信はないんですけど、1つのサービスをほぼ1人で作ることに取り組めたのは良い経験になりました。

――それぐらいの人数の開発チームだと、なんらかの理由でスタックした場合に誰かがサポートに入れたりはあるんですか?

zuckey 軽く相談に乗ってくださることはあるんですけど、密にヘルプが入る感じではなかったですね。ただ、既存の機能をリプレイスする仕事だったので、CTO判断だと思うんですけど、納期が明確に決まっていなかったのはありがたかったです。しっかり学習する期間を与えていただいたので。

――そういう意味では、ヤプリさんは最適な環境だったんですね。

zuckey いろんな会社を受けたんですけど、大手は結構落とされたんですよね。スキルミスマッチが多くて。一方、小さめの会社はなんとなく受かる感じでした。その中でも、CTOの方が「未経験でも育てる」とおっしゃってくださったので選んだという経緯があります。

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ツクルバには、自分の望む環境がありました

――そして、2018年03月からツクルバさんにジョインされました。こちらの転職の動機は、どのあたりにあったのでしょう?

zuckey ヤプリで働くのは、すごく楽しいなと思っていました。プログラミングをがっつりやれるようになり、「エンジニアの仕事って楽しいな」と思って『しがないラジオ』を始め、外にも出て行くようになったり、勉強会に参加するようにもなったり。

ただ、外に出たら皆さんしっかりとした開発環境、チームとしての開発環境にすごく必死になって考えていることに気づいたんですね。例えば自分のコードを他人が読むという前提で開発したり、補修しやすいコードを書いたり。僕はそういうところまで意識がいってなくて、「楽しい」というだけで「楽」に開発してるんじゃないかと思ったんです。

「楽しい」と言っても、その楽しさはあまり本質的じゃないんじゃないかと思って。環境のせいにするのは良くないと思ったんですけど、人数が少ないとかリソースが逼迫している状況では満足にそういうところまで学べないという可能性もあるんじゃないか、と思って転職に踏み切りました。

――ツクルバさんは、かなりご自身の理想に近かったんですね?

zuckey そうですね。今のチームメンバーが聞いたらどう思うかは分からないですけど、メガベンチャー出身の人が多いところを選んだというのはあります。彼らは比較的大きなチームで開発をやって来た人たちなので、少数のチームでの開発の中で彼らからスキルを存分に盗むことができるんじゃないかと思いました。

――実際に入社して、どうですか?

zuckey 望んでいたとおりですね。丁寧に厳しく要求されることが多く、すごく嬉しいです。僕の希望にマッチしていました。しっかりドキュメントを用意しないといけないし、テストも書かないといけない。自分の求めていた環境です。

「Response is king」だと思っています

――業務を行なう上で大事にしているモットーや、好きな言葉があれば教えてください。

zuckey これは現職の先輩に教えてもらった言葉なのですが、「Response is king」ですね。業務上の反応スピード、特に営業さんが困っている案件は一番はやく対応しようとしています。レスポンスを早くすることはとても重要視していますね。2社目はBtoBの会社だったんですが、僕はそこまで圧倒的な技術力があったわけではないので、営業さんに対してどういう価値を提供できるか考えたときにとにかく全部返信を早くしたんです。「その件は、誰々が対応します」ということを明確にして、信頼してもらえるように努めました。それを今もずっと大事にしています。

――ブログに「強いエンジニアになりたい」というお話がありましたが、これはいつ頃からそう考えるようになったんですか?

zuckey 「エンジニアになりたい」と思った時からですね。あと、海外で活躍されていて、「rebuild.fm」というPodcastのパーソナリティもされている宮川達彦さんという強くて話も面白い方にすごく憧れがあります。そういう人になるにはどうすればいいか、何を努力すればいいか、日々考えながらエンジニア活動をしています。

――ご自身の成長のために日々行なっていることがあれば教えてください。

zuckey 『しがないラジオ』というPodcastを始めとして、自身をアウトプットをしないといけない環境に置くことですね。2018年はほぼ週イチペースでブログをあげるというのを目標にうまくいかない時期もありましたが1年間それでやっていました。『しがないラジオ』も、週に1回程度は公開しようと決めています。「アウトプットをする」と決めてしまえば、そのために調べものをする必要があり、必然的にインプットが増えます。それは意識していますね。

あと、成長のためには、「これを作りたい」と言われた時にできる限りイエスと答えることですね。僕自身、エンジニアリングで作りたいものってあまりないんですよ。「こういうものを作りたいから勉強する」というよりは、「こういうことができるようになった」に喜びを感じることが多くて。

なので、「こういうものがほしい」というリクエストに対してどうアプローチしようか、使ったことのない技術を使えば成長できるよね、という軸でやっています。

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興味の赴くままやっていれば、いつか強くなれる

――ここからは、zuckeyさんが働く上で大切にしていることについて、「事業内容」「仲間」「会社愛」「お金」「専門性向上」「働き方自由度」の6つの項目から合計20点になるよう、点数を振り分けていただきます。

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・専門性向上 5

強いエンジニアになりたいので。強いエンジニアというのはエンジニアリングだけではなく、事業調整力とかそういうのも含めてですね。あとは外部アウトプットの力も含めてエンジニアの力、と考えると5です。

・仲間 5

これまでの会社はそれぞれ1年半ほどしかいなかったので、あまり仲間という感じではなかったんです。でも、ツクルバに入ってから「働く仲間は重要だな」と思うようになりました。先程あげたメガベンチャー出身の先輩方だけでなく、日々システムを使ってくれる営業や、これまで関わったことのなかった建築士の方が近くに座ってたりするので、面白い話がすごく多くて。それはこの会社のメリットだなと思っています。ランダムな刺激がすごく入る環境というか。

あと、すごくありきたりな言葉なんですけど個性を尊重している会社だと思いますね。個性的なメンバーがすごく多いです。

・お金 4

お金は重要ですね。富士通から2社目に行く時に結構年収を落として転職した経緯もあり、(収入を)上げたいなという気持ちがあります。

・事業内容 1

そんなに気にしていないですね。与えられたものに対してHowを決めるとか、期限に対してどう作っていくとかうまくなりたいと思うんですけど、事業内容にはこだわっていないかなと。

・働き方自由度 3

すごくこだわってもいないし、全然こだわらないこともない、みたいな感じですかね。全部スーツで、みたいなのもイヤですが、「リモートで自由なのが良い」という感じでもないですから。

・会社愛 2

会社自体が好きなわけではないんですよね。そこにいる人たちが重要だと思っていて。もちろん会社の事業は好きなんですけど、一緒に働くメンバーですよね。仲間と会社愛って、微妙な関係だなと思います。

――キャリアに迷っているエンジニアの人に向けてメッセージをお願いします。

zuckey 僕もいろいろ悩んでいましたが、この1年通して思ったのは「どういう分野でも、興味の赴くままやっていればいつか強くなれる」ということですね。今これをやりたい、という思いを大事にして、飛びついていけばいいと思います。すごく遠くのところに目標を立てて逆算していくよりは、「目の前のものを通して積み上げていくと、いつの間にか高いところにいる」というほうがイメージつきやすいです。

人生のゴールを定めて着実にやる人もいると思うんですけど、そうじゃない人もいる。そして、そうじゃない人は悩みがちだと思うんです。「今何やるべきなんだろう」というのが定まってなくて、ふわっとしているから。悩まなくていいから、今楽しいって思うことをやっていけばいいと思います。

<了>

ライター:澤山大輔


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