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「技術の本質を伝え、太鼓判を押すのが僕の仕事です」三浦大輔(株式会社Showcase Gig)〜Forkwellエンジニア成分研究所

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インフラ・ネットワークから、データベース構築、フロントまで経験しました

――貴社Showcase Gigさんは初出となります、どんな会社なのか簡単にお教えいただけますか?

三浦 弊社はスマートフォンから注文・決済を完結できるモバイルオーダー&ペイサービスを提供しており、特に飲食店における注文受付や会計などの店舗オペレーションに対して標準化を行なっていくというところに注力しています。基本的に飲食店であれば店舗スタッフと1対1の対面で注文をして、レジでお会計をするという流れのところを、個人のスマートフォンで注文から決済まで一括でやって、料理の受け渡し以外のところで店舗スタッフの手がかからない仕組みづくりを行っています。

――そういう中で三浦さんはどういうお仕事をされてるんですか?

三浦 そこでお客様に提供するプラットフォームの根幹となる、基盤部分の運用開発チームのマネージャーを担当しています。

――インフラ・ネットワークまわりから、データベース構築、フロントエンドまで一通りを担当されているそうですね。

三浦 そうですね、私の経歴がちょっと特殊なので。フルスタックで、できるところを全部やっています。主な仕事は、開発よりマネジメント寄りになってきていますが、先日までインフラまわりも担当していました。最近心強いメンバーがジョインしたので、今はそのメンバーにお任せしています。

――経歴を伺うと、いろいろなことを経験されているんですね。高校・大学にて映像制作をされ、大学在学中にAPA・JPS正会員であるフォトグラファー生原良幸氏に師事しカメラマンアシスタントに。その傍ら、独学でhtmlを学び在学中に個人受託にてWeb制作に携わったと。

三浦 そうですね。大学卒業してから、カメラマンのアシスタントを1年ほどやりました。1年で辞めたのは、やっぱり才能がなかったんですよね。撮影現場って体制が古かったり実力主義だったりするのと、多くのカメラマンさんは個人事業主なので、成果を出して行けないと、なかなか続けていくのは難しかったです。

――そのあとはWebデザイナーになられたそうですね。

三浦 そうです。もともとウェブ制作をやっていたのと、写真の撮影や編集技術があるので、まずはそれを活かせることから始めました。

そこからプログラマーへの転向には特に理由はなく、当時Web制作をやっている会社と、プログラムの事業をやっている会社に応募をかけて、受かった方に行こうと思ってたんですよね。

プログラムは、Webデザインをやるかたわらで独学で書いていました。ガラケーの掲示板やチャットを勝手に作ったりして、そちらの才能があるのは分かっていました。なので、どちらでも縁のある方に行けば良いかなと思っていました。

――プログラマーとしては、どんな仕事をされたんですか?

三浦 プログラマーとしては、最初はインターネット上でのユーザ位置情報を調べる会社で仕事をしました。何をやっている会社かというと、IPv4アドレス空間のジオロケーションデータベースを作っている会社です。国内でオンリーワンの会社です。

今でこそGPSがあって、位置情報はスマホで簡単に取れます。でも十数年前はそういうことは一切なくて、家の固定回線でのみインターネットが繋がっていた時代なんですね。なので、どこからアクセスしているかデータベースを作り、WebAPIに展開することでサービスにインパクトを与えようということをやっていました。

例えばクレジットカードを使った時のIPアドレスが東京だったとして、そこから1時間後に大阪で同じカードが使われたとします。どう考えても物理的に移動できない距離ですよね。こういう「この挙動おかしいな」を見つけたりするのに利用していただきました。

私の業務としてはデータベースを利用したAPIのサービス展開を、企画から運営まで全部1人でやっていました。あとはハードウェアの調達とか、ラックの調達とかもやってましたね。

――すごい仕事量ですね……現在のフルスタック的な動きをされる原体験は、この辺りでされたということですか。

三浦 そうですね。今に活きていますね。

――1日、どんな感じで働いておられたんですか?

三浦 当時は就業が8時半で、帰宅は日によりますが22時ぐらいでした。オンプレでデータセンターにサーバーを置いていたので、何かあればデータセンターに駆けつけて深夜作業をしたり、翌日昼間帰宅とか....。若かったんでしょうね(苦笑)。

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――一番タフだった経験を教えてください。

三浦 某エンターテインメント会社での経験ですね。そこでは、ソーシャルゲームの開発を行っていました。今でもその会社にはソーシャルゲームを作る専門の部署があるんですけど、私はアーケードゲームのメダルゲームを作るところに配属になりまして。

今、ゲームセンターのシェアがすごく狭まってきてるんですね。スマートフォンが出てきたこともあり、ゲームセンター市場に一石を投じ、ソーシャル化していきたいという案があったんです。

ただ、いざ配属されると周りはみんなメダルゲームのソフトやハードウェアを作っている人たちで、なかなか理解が得られなかったり。何箇所か事業所があるんですけど、私の配属はソーシャルゲーム開発部のある本社ではなく別のところで。同じスキルセットを持っている人が周囲に居ないので、1人で頑張らないとダメでした。ソーシャルゲームを作るためにゼロベースで全設計をやって、人数もプログラマー4人とかで作ってたので、残業時間についても、かなり多めでした。

――過酷な経験ばかりですね……。

三浦 その時は、企画をやっていたディレクターが途中でチームから離れることがあり、急遽私が兼務することになりました。その結果、企画・設計をやりながら、みんなが帰った後に実装をやるみたいな流れでしたね。

――それで、2015年からスマホアプリを制作する会社に入られたと。

三浦 そこは、スマートフォンのアプリを作るために立ち上がったベンチャー企業でして。私は基本、会社の中では助っ人として動いており、人が足りない案件に呼ばれたり、技術的に分からないことがあれば相談役として呼ばれたりですね。

一応専任でキュレーションサービスを担当し、WordPressで数ヶ月運営されてたのを完全にオリジナルにリプレイスするところからスタートしました。1年半から2年ほど運用していました。

ただ、キュレーションサービスは2016年末頃から世間から厳しい目で見られるようになり、縮小せざるを得なくなりました。その時も、サーバーは設計から実装まで全部1人でしたね。だから、あまり大規模チームで仕事をした経験がないんです。

――同席されている人事の中谷さんにもお話を伺いたいのですが、今みたいな話は当然採用される時に伺ったんですよね?

中谷 詳細までは伺ってないですが、聞きましたね。

――三浦さんをどういう理由で採用しようと思ったんですか?

中谷 我々の開発組織をこれから大きくしていったりとか、足りないところを補うという時に三浦がやってきたバックグラウンドやマインドのところがドンピシャだったんですよ。

僕はエンジニアではないので、三浦が過去やってきたことのバックグラウンドのスキルは評価できないんですけど、我々の開発体制に必要な人材ということは、現場の評価を踏まえ素直に信じていますし、いまその印象は間違っていなかったなと思います。

――ありがとうございます。中谷さんがいるなかでは話しにくいかも知れませんが(笑)労働環境的にはいかがですか?

三浦 メンバーが良い人たちばかりなので、仕事をやりやすいですね。労働時間的には立場上遅くならざるを得ないので、致し方ないかなと。サービスもちょうど新しいものへとリプレイスをしているタイミングなので、そこをやっていかないと、というところですね。

――とはいえ、今までよりはだいぶ改善されたと。

三浦 今までいた職場では、私とスキルレベルが乖離している方が多かったので、技術的なことを話しても理解されないことが多かったんです。逆に、私の方が悪者になると言いますか。「また細かいこと言ってきたよ」みたいな。

今はそういうことは一切なく、技術的なところはCTOも部長も同じレベルで話ができます。メンバーも素直な人が多いので、分からないことがあれば「教えてください」となりますし、その逆も然り。「分からないから聞きたくない」という人材がいないので、すごくやりやすいですね。

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「ここが正しい、こういう方向で行こう」とジャッジするのが自分の仕事

――Showcase Gigさんに入社を決めた理由は、どのあたりでしたか?

三浦 ちょうど「良いところがあれば転職しようかな」と動いているタイミングで、お声がけをいただきました。これもご縁なので、まずは会ってみようと思いました。

会ってみて思ったのは、みなさんサービスに対してすごく愛情を持っていたんですね。私自身もサービスのファンになって、より改善していきたい人間なので、すごく惹かれました。

あと、Showcase Gigで作ったサービスはリアルの飲食店や小売店に入り、動いているものを実際に見ることができ、自分自身で使え、それで人に感謝されるんです。そういうサイクルが回っているところが、魅力的だなと思いました。

――ありがとうございます。三浦さんのマネジメント方針についてもぜひ伺いたいです。

三浦 あ、そこは何もできていないんです、本当に。マネジメントスキルはまだまだ足りていないと思っていて。メンバーに迷惑をかけているなぁと。「頑張ります」しか言えないです(苦笑)。ただ、一応お伝えしたような経験をフルスタックでやってきて、いろいろなレイヤーを見てきた経験はあります。そういう部分を中心にサポートしている感じですね。

Showcase Gigもベンチャーですから、その時々の判断による技術的負債が今も残っていたり、0からチャレンジしていく上で今やっていることが正しいのか正しくないのか分からないケースがあるんです。そこに対して「ここが正しい、こういう方向で行こう」とジャッジするのが自分の仕事かなと思っています。

――今のトレンドがこう、というよりはこのサービスを伸ばしていくためにはこっちの方が良いと?

三浦 そうですね。流行りものばかりではものは作れないので。レガシーなものも必要なんですけど、その上で「この技術の本質って何だろう」というところ。そこを意識した上で「これが正しい」という太鼓判を押してあげられたら。

――ありがとうございます。三浦さんがご自身の成長のために日々行なっていることを教えてください。

三浦 エンジニアの皆さんはこの手の質問だと「アウトプットが大事」と言うと思うのですが、私はアウトプットが苦手でして。インプットばかりやってます。

若くもないので、新しいものをどんどん追いかけるのはもう無理(苦笑)というのと、インプットして選択肢をいっぱい持つことが大事かなと。

「10年前に似たようなものあったな」とか、そういう知識を引き出すことで「こいつの本質はこれだよ」とか「なんでこの技術は生まれてきたのか」「どういうことを課題としたからこそ出てきたのか」「だからこの使い方だよね」、そういう方向で勉強しています。

――本質的を伝えるのは、経験がある人しか言えないと。

三浦 そうですね。

「自分がやって楽しそうな事業か」は重視しています

――ここからは、三浦さんが働く上で大切にしていることについて、「事業内容」「仲間」「会社愛」「お金」「専門性向上」「働き方自由度」の6つの項目から合計20点になるよう、点数を振り分けていただきます。

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・専門性向上:4

エンジニアですので、常に追いかけていかないとダメだなと。5以上にしないのは、何でもかんでも新しいものを追っているわけではないからですね。

・仲間:5

マネージャーになって特に、周りのメンバーに支えられてる気持ちがあります。「この人たちと良い関係じゃないと、良いサービスは生まれない」という思いが大きいですね。

・お金:2

「良いものを作ったら、あとでお金はついてくる」と思いつつ、事業会社なので。自分の食い扶持ぐらいは、サービス運用費用ぐらいは稼がないといけないので2ですね。

・事業内容:7

「自分がやって楽しそうな事業か」は重視しています。やって楽しいものはモチベーションが上がるし、続けられるし、達成感に紐づいてくるのかなと。

やはり世の中になんらかのインパクトを残すとか、単純にお客さんが喜んでくれるとか。今までBtoB、BtoCを経験していますが、BtoCってあまり感謝されにくいというか、最終的に売り上げとかKPIというところが重要視されるんですよね。もちろんそれらも重要ですけど、品質を気にせずに「動けば良い」「稼げれば良い」という現場が多いんです。そういうところに疲れたというのがあって、感謝されて、それでモチベーションを作っていく体験を続けたいです。

・働き方自由度:1

もちろん自由な方が良いですけど、会社からはすでにある程度自由にさせて貰えてることが一つ。あとは、自由にするのはデメリットも強いので、そこまで求めるものでもないかなと。

むしろ今のIT会社さんでよくある「エンジニアの制度だけよくて、非エンジニアはそんなに」という格差は問題だなと思います。会社さんによってはその逆もあるみたいですけど。同じ屋根の下で働いてるんだから、みんな同じで良いじゃんと思いますね。

・会社愛:1

事業内容が良くて仲間がよければ、会社愛がなくても続くじゃないですか。そこが会社愛を底上げしてくれているかなという感じですね。20点の縛りがあるので、本当はもっと高いです。

――最後に、キャリアに迷うエンジニアの方にメッセージをお願いします。

三浦 後悔するぐらいなら、飛び込んじゃえということですね。全てご縁だと思いますので、タイミングが良ければ入っちゃえと。僕も大変な現場をずっと経験して、思うことはいろいろあって転職を繰り返しています。けど、そこがチカラになっているというのを感じています。どんどん飛び込んじゃえば良いと思います。

<了>

ライター:澤山大輔


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