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「楽をするために面倒なスクリプトも書く」夏目祐樹(クラスメソッド株式会社)~Forkwellエンジニア成分研究所

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入って1週間で「天職だな」と思いました

――クラスメソッドさんはAWS専業の会社と伺っていますが、夏目さんはどのようなお仕事をされているのでしょうか?

夏目 サーバーレスアーキテクチャという、サーバーを立てずにアプリケーションやシステムを開発していくことをやっています。比重としてはバックエンドのほうが大きいと思います。フロントエンドエンジニアとしても、WebのUIだったりAWSのサービスを使えば、サーバーを立てずに外から見える状態にすることができます。

――前職では、どんなお仕事をされていたのですか?

夏目 前職はいわゆるSIerの協力会社で、大きいSIerさんに行って仕事をしていました。印象的だったのは、Chefを使ってサーバーの自動構築をするシステムだったり、あとWebアプリケーションとかですね。

Chefというのは「このサーバーにこのアプリケーションを入れたいとか、こういうコマンドを実行したい」といった感じで書いておくと、書いた内容のサーバーを構築することができるツールです。 

――クラスメソッドさんに入られるきっかけとして、「JAWS FESTA Kyushu 2015」で初めてAWSとサーバーレスに触れ、その後も各所で登壇されたという経緯があったと伺いました。

夏目 サーバーレスミートアップを福岡でやった際に、「福岡にクラスメソッドのオフィスができるのだけど、興味はないか」ということで声をかけられました。当時は、システムを作る上での様々な条件を自分たち主導で決めたい、アーキテクチャの選定や決定にもっと関わりたい考えていました。

そんなときに声をかけていただけたというのもありますし、クラスメソッドにサーバーレス開発部ができたというプレスリリースを読んで「行くしかない」と思いました。

――クラスメソッドさんに入ってみて、いかがでしたか?

夏目 期待以上でしたね。入社2日目からいきなりプロジェクトにアサインされたり、2週間ほど経ったら先にいたプロジェクトメンバーに「1週間くらい休みます」と言われたのは泣きそうになりましたが(笑)。

とはいえ、入って1週間も経たないうちに、「これは天職だな」と思いました。弊社は、現場のエンジニアにいろんな部分を任せてくれます。新しい機能を作るときどういうアーキテクチャにするか、既存の機能を変えるとしてもどういう風にしたらいいか、とか。

印象的なのは、皆さん忙しいのに「この人たちいつ書いてるんだろう」っていうくらい大量のブログを書いていることです(笑)。ブログを書くことが、仕事の一つみたいな感じですね。

――夏目さんも入社以来すでに10本以上の記事を書かれていますが、一番読まれている記事はどれですか?

夏目 サーバーレスに関するカンファレンスが東京にあった際、マイクロソフトの基調講演の内容をそのままブログにした記事が一番多いかもしれないですね(笑)(参照)。

AWSをサーバーレスで作る場合は、周辺サービスとの統合が進んでいて使いやすいです。ただ、その他のクラウドではマイクロソフトがかなり追い上げてきてまして。その中で行われたMicrosoftの発表をまとめたらこうなりました。個人的には特に気になっていたセッションで写真を撮りながらメモ取るのに必死でしたね。

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「最初に面倒なことをやって、後に楽をしよう」

――エンジニアを志したのはいつ頃からですか?

夏目 大学時代です。物理研究部、別名Qpicというところにいました。パソコンで曲を作るか、プログラミングでゲームを作るかという感じの部活で、僕はプログラミングばかりやっていました。家の使っていないパソコンでサーバーを立てたりしながら遊んで。大学の専攻にITは関係なかったんですが、「こちらのほうが面白いな」ということでエンジニアに流れました。

初めて使った言語はHSP(Hot Soup Processor)という超マイナー言語で。Windowsで窓を簡単に作れて、簡単にゲームを作れる言語でした。部活でそれを教えてもらって、簡単なシューティングゲームを作ったのが初めての開発でしたね。

それから変なツールとか色々作ってるうちに「プログラミングって楽しいな」と思って。大学の講義を選ぶときの「この講義だったらプログラミングしそう(だから面白い)かな」みたいな感じで。

――ゲーム制作から入ってプログラミングにハマったんですね。就職活動では、ゲーム業界は志望されなかったんですか?

夏目 最初は考えていました。ただ、新卒でも採用はあるものの、即戦力級を求めている募集が多くて。課題も「こんなレベルの高いものを作るのか」という感じで。これは無理だなと思いましたね。

――そうなんですね。就活ではどんな基準で選ばれたんですか?

夏目 エンジニアとして働けそうか、あと現場でそこそこ長くできるかというのが基準でした。発注する側より受注する側を希望していたんですが、実際に受注する側だと発注側の縛りが強くてあまり仕事としては面白くなかったんですね。

コードを書いているうちは楽しいんですが、そのあとにあまり考えることがないというか。受託開発自体は悪くはないと思っていて、多分その時いた場所が合わなかったのだろうと。

クラスメソッドはAWSがすごいし、一番興味のあったサーバーレスアーキテクチャの部署もできたということで「乗るしかない、このビッグウェーブに」という感じです(笑)。落ちたら次にどこを選ぶかは全く決めていなくて、一点突破でした。

――一点突破だったんですね(笑)。転職を検討した際、東京や大阪に出ることは考えていましたか?

夏目 東京に出ることは頭にありませんでした。福岡のコミュニティで名が通っていることもあり、そちらで頑張りたいと思って。

――業務を行う上で大事にしているモットーや好きな言葉はありますか?

夏目 「楽をするために全力を尽くす」ですね。それで燃え尽きてもいい、という倒錯した考えを持っています(笑)。楽をするために簡単なスクリプトも書く。まあどんどん簡単じゃなくなっていくんですけど(笑)。「最初に面倒なことをやって、後に楽をしよう」という感じで。楽をしてナンボですよ。

――ご自身の成長のために日々行なっていることはありますか?

夏目 半ば無意識的に、いろんな分野の情報収集をやっています。一人でご飯を食べているときや時間が空いたとき、暇つぶしにIT系のニュースサイトを回ったり、スマートニュースを端から端まで読んだり。

勉強会で会った人とFacebookで繋がっているので、Facebookを見ていると技術系の面白い記事もゴロゴロ転がっているのでそちらも見ています。あとは技術系のCnetだったりZDnetだったり、技術系のブログとかTechFeedというサービスも巡回していますね。

――外部のイベントでは、どういったものに参加されているのですか?

夏目 多いのはクラウド系のイベントです。AWS、Microsoft Azureの関係が多いです。あとはRubyが好きなのでもくもく会に行ったり。基本的に福岡周辺で面白そうなものがあったら顔を出す感じです。

――イベントで登壇するときの基準はありますか?

夏目 自分が喋りたいものがあるかどうかどうかですかね。あとは、「喋ってみいひん?」と声をかけてもらったら、という感じですね。直近では 「プログラミング生放送勉強会(第55回@福岡)でサーバーレスの概要についてしゃべってきた #pronama」というブログで、登壇の内容について書いています。サーバーレスの概要や、AWSでやるとどんなリソースがあって何が便利そうで、というのを簡単にしゃべってきました。

――反響はいかがでしたか?

夏目 中盤部分でサーバーレスやるとしたらどんなクラウドでできるのかという話題のときに、よくあるAWS、Azure、GCPこんなのあるよという話をしたときに、「GCPのときはなぜかヘッドレスChromeが動くよ」という話をしたら、かなり受けましたね。

ヘッドレスChromeを一言でいうと、プログラミングで画面操作をするためのChromeみたいなものです。画面操作をして実際のWebページは自分の意図した通りのHTMLが表示されているかとか、どういった画面になっているかスクリーンショットを撮ったりできるようなものなんです。それがなぜかグーグルのところだと、サーバーレスでコードを実行するサービスでヘッドレスChromeが動く。この話をしたときに反響が大きかったです。 

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「面白いことをやろうや」という感じですね。

――ここからは、夏目さんが働く上で大切にしていることについて、「事業内容」「仲間」「会社愛」「お金」「専門性向上」「働き方自由度」の6つの項目から合計20点になるよう、点数を振り分けていただきます。

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・専門性向上 4
・仲間 4
・事業内容 4

クラスメソッドは技術好きの仲間が多くて、ランチのときの雑談もほとんど技術的な内容です。他に話題はないのか?と思うくらい(笑)。忘年会でも技術の話が多くて、ある程度濃い話をしたと思っても相手の方が全然濃かったりします。それが、自分の中ではすごく響きましたね。

・お金 4

生活していく上でお金って忘れちゃダメで。とはいえ、自分は今回の転職でお金のことは度外視していたんですけど(笑)。あとで家族から怒られました。まあ、実際に移ったら給料は上がったので結果オーライです。

・働き方自由度 3

クラスメソッドは働き方が自由で、リモートで家や喫茶店、コワーキングスペースで作業することもできます。イベントとかで東京に行ったとき、しれっと東京のオフィスで仕事することも可能です。働き方の自由度には、結構助けられていると思います。

・会社愛 1

会社そのものへの愛、という意味では低いのかなと。働き方とか事業内容とか、好きな部分は結構あるんですけど、愛が分散しているというか。

――最後に、キャリアに迷うエンジニアに向けてメッセージをお願いします。

夏目 「面白いことやろうや」という感じですね。自分の興味があるものを仕事にするのが一番、それを仕事にしないときついよと。日々新しいものがどんどん出てくるから、勉強しないとついていけなくなります。

そしていざ勉強するとなった時に、嫌いなものを勉強するのはきついですが、好きなものはほっといても勉強しますよね。だからほっといても勉強するような好きなものを仕事に使用して、そのために動くのが一番いいのかなと思っています。それが新卒4年目で転職して、思ったことですね。

<了>

ライター:澤山大輔


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